第12回大伴家持大賞入賞作品 

短歌部門・一般の部 短歌部門・児童生徒の部 絵たんか部門 講評

【短歌部門・一般の部】


◇大賞
沢を出で(かへ)る時来し大蟹がむんずむんずと山へ入り行く 小佐野豊子 静岡県裾野市
   夢のよう、感謝でいっぱいです。「時」というテーマだったので3年前に天城山で見た光景を詠みました。この間に亡くなった人もおり、いろんな思いが一気によみがえりました。

◇準大賞
もう要らぬと腕の時計を外させてベッドの叔母の覚悟のひとつ 福政満寿美 鳥取市

◇入選
「油断するな」亡夫(おっと)のことばを二十年守り今年も大堰を切る 森本 由子 鳥取市
全盲者マラソン伴走スタートの三十秒前たすき確かむ 玉木 知男 京都市
日すがらを菊育ていし亡き夫の時計を今はわれの手に巻く 長谷 静枝 鳥取県智頭町

◇佳作
ジャガ芋の一斉に芽ぶくを見とどけて五月の旅へ自転車を踏む 土江 康一 鳥取県境港市
来世でも男と言い切るきみほどのあかるさを知らず日向を掃きぬ 山下 裕美 京都府宇治市
よく笑う男でしたねあの頃は糊の効きたるシャツを着ていて 北川 敦子 鳥取市
鳥取に六十年間暮らしいる認知症の姑は京都弁つかう 岸下 澄江 鳥取市
云う時は今ではないと喉元の言葉を飲み込むお茶汲みに立つ 坂口 久恵 鳥取市
ふたりきりエレベーターが上にゆく時が止まれば告白してた 飯井 純子 東京都八王子市
その瞬間羽ばたくような顔したね「あんよは上手」の初めの一歩 織田桐真理子 鳥取県米子市
「幸せな時間」はとてもせっかちでお茶も飲まずにお帰りになる 木下  務 大阪府吹田市
紫蘇もんで世に淡く住む老い母に白湯の如くに過ぎ行く時間 有永 吉伸 埼玉県朝霞市
幼き日画用紙に書いた未来都市まだまだ時間がかかりそうだな 市原 ゆか 埼玉県朝霞市


短歌部門・一般の部 短歌部門・児童生徒の部 絵たんか部門
 
主催 鳥取市
共催 新日本海新聞社
後援 鳥取県、鳥取県教育委員会、NHK鳥取放送局、山陰放送、日本海テレビ、山陰中央テレビ、日本海ケーブルネットワーク

 日本海新聞トップページへ