2017年5月31日

手軽な薬膳レシピ提案


「薬膳」の料理研究家
高橋 育子さん(48)=米子市=

 季節や体質に合わせた「薬膳」の料理研究家、高橋育子さん(48)=米子市旗ケ崎9丁目。料理教室やフェイスブックなどで手軽に取り入れやすい薬膳メニューを提案し、「食べ物すべてに薬効がある」と、健康を支える薬膳の普及を目指している。

 昔から薬への好奇心は旺盛で、高校では化学分析部に所属。大学や就職は薬とは無縁な分野へ進み、結婚後は退職して2児を育てた。

■子どものぜんそく 漢方で改善、興味

 漢方や薬膳に傾倒したきっかけは子育て。子どもが小さい頃はアレルギーに悩み、多いときは牛乳や卵、青魚、米など約20種類の食材が食べられないこともあった。通信販売で食べられる食材を取り寄せるなど奮闘したが、アトピーやぜんそくにも苦しみ、かゆくて泣く子どもの手をかきむしらないように押さえて眠れない夜も続いた。

 そんな中、漢方薬局で薦められた漢方を子どもに試すとぜんそくの症状が改善。「もっと知りたい」と漢方への興味が湧いた高橋さんは通信教育で学び始め、中国4千年の歴史が築いた漢方や薬膳の奥深さに感銘を受ける。

 資格を取るために薬局で勤務し、大阪の学校に月2回通うなど家事や子育てをやりくりしながら国際中医師・国際中医薬膳管理師、薬膳アカデミア認定講師など数々の資格を取得。米子と鳥取で薬膳料理教室を開き、料理教室総合サイト「クスパ」の中四国エリア賞を受賞するなど活躍を広げている。

■更年期症状が軽減 薬膳の効果を実感

 薬膳や漢方と出合い「手術を検討していた子宮筋腫が小さくなり、更年期症状も軽減できた」と自分の体の変化を実感。

 難しいイメージのある薬膳だが、基本的にはスーパーで手に入る食材でできるレシピを心掛ける。25日には米子市内で医師と共に糖質制限についてセミナーで講演し、低糖質の薬膳弁当を振る舞った。ゆで鶏のくるみソースやそら豆の寄せ豆腐など彩り豊かなおかずが並び、ご飯の代わりにおからをいれた県西部の田舎飯「いただき」も。「すてき!」「おいしい」と喜んで食べる出席者を笑顔で見守った。

 薬膳講座を開くなど、生徒の資格取得も推進して薬膳の普及を進めている。「栄養が偏りやすい単身者や働く母親、高齢者が手軽に栄養を取れるような薬膳レシピや食品の開発を進めていきたい」と展望を語った。

 ○…お話を聞いたのは、少しじめじめした日。ミントを配合したお茶を振る舞っていただき、湿気が体の中から抜けていくような感じがした。

 難しいイメージのあった薬膳だが、身近な食材を自分の体や季節に合わせて取ることが大切と聞いて興味が湧いた。自分や家族の健康を相談すると、顔や舌を見ながら分かりやすくアドバイスしてもらった。中医学独特の奥深さにはまり始めた自分がいる。

 そんな高橋さんのレシピ連載「おうちで薬膳」が、来月からこのページでスタート。タイトルの通り、家庭で挑戦できる薬膳レシピと中医学のミニ知識を得られる。ぜひ一読を。(渡部ちぐみ)

 元気の源 生徒からうれしい感想

 毎月鳥取市と米子市で開催してきた薬膳料理教室には、兵庫や島根からも生徒が訪れる。自分や家族の健康を気遣いたい、病気の養生、仕事に生かしたい-。さまざまなきっかけで薬膳を学ぶ生徒から「便秘しなくなった」「冷えが楽になった」など率直な感想が寄せられ、励みになっている。

 高橋さんの指導で薬膳セラピストの資格を取得した管理栄養士の福本紘子さん(33)=鳥取市=は「勤務する薬局で料理教室も行っているので学んだことを生かしたい」と笑顔を見せた。

 生徒からおいしいお店やテレビの健康情報をもらい、時にはベテラン主婦から料理で教えられることも。薬膳を楽しく学んでもらうことが、高橋さんの活力につながっている。