小早川秋聲に注目
顔を日の丸の旗で覆われ、横たわる兵士の死体―。小早川秋聲の代表作「國之楯(くにのたて)」を初めて見たときの異様な感覚は、いまだに忘れられません。
小早川の特集が米子市美術館で開かれています。戦前、京都画壇の中堅として特異な画風で前途を期待されましたが、戦時中は戦争画を手がけるようになりました。戦後は宗教画などを描きましたが、戦前ほどの高い評価は得られませんでした。長らく幻の画家でしたが、日南町美術館が作品の収集、再評価に取り組んだおかげで、その名を知る人も多くなってきました。
本日の文化面(11面)に小早川の「祖国の俤(おもかげ)」が掲載されています。「國之楯」とは一味違った作品で目を引きます。こんな作品があったとは知りませんでした。関係者の地道な努力で、未解明の部分が少しずつ明かされているようです。今後もっと注目されていい画家でしょう。(学)