「ゆうとりあ」好調
本紙の家庭面に連載中の小説「ゆうとりあ」が好調です。作者の熊谷達也さんは、マタギの厳しい世界を描いた「邂逅の森」で直木賞と山本周五郎賞をダブル受賞した実力の持ち主だけに、個性豊かな登場人物一人一人を的確に描き分ける手腕は見事です。人間を見る目の確かさを感じます。
集英社発行の雑誌「青春と読書」に、探検家の関野吉晴さんが、熊谷さんと美術大生が一緒に鷹匠の訓練風景を見学した時のエピソードを紹介しています。その見学を基に熊谷さんが書いた文章を読んで、観察力のあまりの緻密さに美術大生が驚いたそうです。学生たちには、一番ボンヤリしているのが熊谷さんのように思えたのだとか。
「ゆうとりあ」の面白さは、こういう鋭い洞察力に支えられています。(学)