薄氷の上
北方四島が不法に占領されて六十四年、東京都内で七日開かれた領土返還要求の全国大会は先日の人道支援事業をめぐるロシアの対日強行姿勢が話題に。北方四島在住のロシア人向け医療物資を運んだ日本側の一行が求められた出入国カードの提出が北方領土の「ビザなし」訪問にも適用されることへの懸念が会場に広がりました。
「薄氷の上を歩くような関係は領土問題が解決されない限り続く」との元島民らの訴えは、境港のカニかご漁船がロシア当局に拿捕された問題と重なる面があります。漁船の帰国に見通しが立ったとはいえ、拿捕問題が浮き彫りにした操業ルールの不備は日本、ロシア両国政府の課題です。
「ロシアはアジア太平洋地域の平和と安定を築いていく上で重要な隣国」とは麻生太郎首相の北方領土返還要求全国大会でのあいさつ。ロシアとの関係を重要視するならば、領土問題の解決に加え、操業ルールの確立に政治力の発揮を。(風)