« 転機を迎えた福祉現場 | メイン | 中海ブランド »

知事のカーテン

090323.jpg
 鳥取県の定期人事が25日発表されます。発表前に報道するのを「人事予想」と言います。記者があらゆる手を使って、今年はどんな異動で幹部の顔ぶれはどうなるのかを聞き出し、緊張感を持って記事化します。まさに、日ごろのアンテナの高さやつながりがモノをいう仕事。県幹部の異動にとどまらず、記者は「人事(人の動き)に敏感になれ」と教え込まれます。そこから見えてくるものがあるということです。
 ところが、この人事予想も片山県政以降、非常に難しくなりました。かん口令が敷かれ、情報が漏れません。かつては大物県議のところに行けば大体分かったのですが、「根回し排除」の片山知事以降、大きく様変わりしました。
 部下だった平井知事も同じです。副知事時代から人事が事前にマスコミに漏れないよう執念を燃やしていました。さすが中央省庁出身です。いま、部長でさえ内示まで分からない状況、しかも他部署のことは教えないよう〝縦割り〟になっています。徹底した〝情報統制〟です。
 かつて巨人軍の川上哲治監督がキャンプで報道陣をシャットアウトし、「哲(鉄)のカーテン」と言われましたが、「伸治のカーテン」です。
 普段は記者にフランクな知事も、口にチャック。また幹部もそれを知っているだけに追随します。〝漏えい〟が分かれば叱られます。一方、口が固いから信頼できる、ということも言えるかもしれませんが。
 かつては、この人事話が取材先での〝潤滑油〟になっていました。職員も結構人事話が好きで、「ああでもない、こうでもない」と言い合うのが楽しみでもありました。そこから信頼関係や他の取材での「あうんの呼吸」のようなものが生まれたり。その点では〝天と地の差〟です。
 しかし、記者は待っていても仕事になりません。扉が閉ざされていれば、のぞいて見たくなるもの。これは性(さが)。よく「あと1日、2日待てばいいのに」と言われるますが、早く知りたいのが記者の習性です。世間からすると不思議かもしれませんが、こういう作業を通して記者は鍛えられます。
 幸い、どんなにカーテンを閉めても、情報というものは漏れるものです。しかしそれは情報管理が甘いということではなく、世の常。知事としては苦々しいかもしれませんが、逆に言えばそれだけ注目されているということ。普段はマスコミを通してアピールしていることを考えてもらい、この〝真剣勝負〟をしばらく続けていきましょう。(鵜)

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)