フランス絵画の19世紀展
「美をめぐる100年のドラマ」のサブタイトルが、すべてを物語っていました。松江市の島根県立美術館で開かれている、開館10周年記念展「フランス絵画の19世紀」を見てきました。特定の画家の作品展と違って、才能ある画家たちが対立や影響し合いながら、さまざまな絵画の流れをつくってきたことがよく分かりました。
去年9月、県立美術館の担当者から取材して書いた予告記事を要約しておきます。
「記念展では、世界最先端にあった19世紀のフランス絵画を、ギリシャ、ローマを源に美の規範を描くアカデミスムと、印象派をはじめとするモダニスムの流れを対比させながら、包括的に紹介する」
会場では、ギリシャ・ローマ神話を題材にするなど、理想的な美を追求した、アカデミスム絵画の大作に圧倒されます。一方、こうした伝統を引き継ぐ絵画の流れに対し、ロマン主義のドラクロワ(1830年のフランス7月革命を題材にした「民衆を導く自由の女神」がおなじみ)、レアリスムのクールベ、ミレー、印象派のモネ、ルノワール、シスレーといった革新的なモダニスムの画家の秀作も多数展示されています。
個人的には、印象派などの陰に隠れてこれまで名前を知らなかったブグロー、アングルなどのアカデミスム絵画に予想以上に引かれました。
最高峰にあったフランス絵画の100年間のエッセンスに触れ、いろんなジャンルの絵に目移りし、自分の好みが分かる絵画展。31日まで開かれています。(酒)