日韓ロ定期船の売り込み
韓国のDBSクルーズフェリー社による、境港と韓国・東海、ロシア・ウラジオストクを結ぶ日韓露定期貨客船の29日就航を控え、鳥取県の緊急プロジェクトチーム(PT)の動きが活発化しています。
物流貿易班は17、18、22日に岡山、広島、大阪で企業を対象に新航路の利用促進懇談会を開催中で、観光交流班は22、23、24日に大阪、広島、松山で旅行業者を対象に説明会を予定しています。
貿易関係者によりますと、新航路は地元山陰にとっては生鮮食品などを境港―東海、高速道路経由で韓国の首都・ソウルの市場まで24時間以内で輸送できるのが、最大の利点ということです。
また、山陽や関西の企業向けには、特にロシアへの商品輸出がセールスポイントになるとのことです。日本とロシア極東を結ぶ既存の定期コンテナ航路は横浜を最終に日本に複数の寄港地があり、ロシアへ積荷が届くまでにかなりの日数がかかっています。新航路を利用すると、境港から韓国・東海を経由して2日以内にロシア・ウラジオストクに積荷を届けることができます。
一方、観光客集めについて県のPT観光交流班は、一味違う船旅を楽しみたい学生などの個人客と、時間があって安価な旅を楽しみたい団体客がターゲットになるとしています。東海のある韓国・江原道と船旅の魅力をアピールする形で、旅行会社にツアー商品をつくってもらう必要がありそうです。
日韓露定期貨客船に当面、鳥取県や境港市などの中海圏域4市1町が運航奨励費を出すことに、「特定の私企業への赤字補てん」との批判があります。他方で、韓国の船会社がリスクを覚悟で日韓露定期航路を就航させ、日本側の寄港地に境港が選ばれたという「恩恵」を忘れてはいけません。
運航会社のDBSクルーズフェリー社が、事業収支見通しの「4年後の黒字」実現のために全力を挙げるのは当然ですが、側面支援も大事です。
境港を玄関口に、対岸の韓国やロシアなどと山陰はじめ山陽や関西、四国など西日本との間で人や物、情報が行き来するようになれば、地域に活力が生まれます。荷物、乗客とも当面多くの利用は見込めませんが、辛抱強く支援して安定的に就航させる夢と情熱を持ちたいものです。(酒)