ジオパーク
浦富海岸と鳥取砂丘。隣り合わせなのに全く別なものと思っていましたが、違ったのです。鳥取砂丘は千代川が運ぶ砂で形成されたことはよく知られていますが、打ち寄せる日本海の波も砂を運んでいるのです。つまり、日本海はほぼ同じところに打ち寄せていながら、片方で砂を運び、片方でがけを削っていたのですね。自然はまさに偉大な芸術家です。砂を運んで「鳥取砂丘」という豊かな線を持った像をつくりだす一方で、浦富海岸では彫刻刀を大胆に振るい景勝地という芸術品を生み出したのですから。
この二つの芸術品を含む鳥取市から京都府京丹後市までの海岸を「山陰ジオパーク」という地域で束ね、世界ジオパークに登録しようという運動が行政などで展開されています。ジオパークとは貴重な地質遺産を抱える地域を自然公園にして保護・活用を進める考えで、山陰海岸は日本海が誕生した壮大なドラマを秘めている―という価値に基づいて国際的な理解を得ていく方針です。
ジオパークとは造語です。ジオ(地質)に公園のパークを合成したのですね。ならば、パークとしての楽しさを強調する努力がもっと必要です。テーマパークの楽しさといえば、アトラクションと並んで思い浮かべるのが、食です。山陰ジオパークならではの食。それは、ならではの土がつくった野菜、ならではの海がもたらした魚介類、ならではの水でつくったジュースやお酒によってもたらされるでしょう。山陰ジオパークは、自然という芸術家が作ったアトラクションは十分備えています。あとは食で楽しむ仕掛けをすれば日本一のパークも夢ではありません。(理)