本日付の紙面に「ちょっといい話」が載っていました。運営費の削減でポスターの製作をやめた倉吉市の打吹まつりに、支援をしたいと地元の印刷会社がポスターを作って寄贈したというもの。
倉吉の経済状況はいま、最悪といっていいほど疲弊した状況です。中小・零細企業に寄付を求めても、したくてもできない状況。その中での祭りの開催です。必然的に運営費は減りますが、まさかポスターを作るお金がないとは思いませんでした。
打吹まつりといえば、中部を代表する祭り。私が子どものころは、アーケードに金魚すくいなどの露店が出て、まさに「ハレの日」でした。みつぼし踊り、花火大会、飛天WASSO…、時代とともに祭りの形は変化していきましたが、市民にとっては一年で大切な日です。
かつて倉吉まちづくり協議会の壁には過去の祭りのポスターが掲げられていました。デザインもその時代を映したもので懐かしい気分にも。ポスターがない打吹まつりなんて、考えられません。
そんな中、財政難の祭りを伝える本紙記事を見た印刷会社社長が、ポスター1800枚の寄贈を市に申し入れました。「こういうときこそ貢献したい」と社長。そこに倉吉のあきんどの心意気を見たような気がします。
「この小さな町で、商売させてもらって…」は社長の口癖ですが、倉吉の経済的なパイは狭いものです。大企業があるわけではなく、代々の商売を続け、その中でわずかでももうけていく。細々と、しかしつながりを大切にし。そうやってこの町は続いてきました。
行政も民間もこの倉吉という町の共同体のようなもの。苦しいときこそ、助け合う。もうけさせてもらったら、地域にお返しをする。社是に「地域とともに」を掲げるこの印刷会社ならではの厚意だったと思います。(鵜)