自民党再生への扉
17日の自民党再生会議に臨む議員
自民党の新しい総裁選びは衆参両院議員、地方党員による投開票の28日に向けて進行中。衆院選惨敗で下野し、体制の立て直しを図る自民党は国民の信頼を取り戻し、民主党から政権を奪還できるのでしょうか。
■比例と小選挙区のねじれ
衆院選公示前の300議席から119議席に後退した自民党ですが、鳥取、島根、高知、福井の4県では小選挙区の議席をすべて確保しました。なぜか―。
「地域間格差で取り残されているという意識が強い」と平井伸治鳥取県知事。2日の会見発言に興味を覚え、後日、その趣旨を尋ねると「高速道路」を例に説明を受けました。
鳥取、島根両県にまたがる山陰道の未完成な状況は高知県の太平洋沿岸や福井県の若狭湾沿いに計画された高速道路網の不完全な実態と共通し、いずれも「取り残されている」地域になる。
鳥取県の場合、有権者の投票行動は民主党が比例代表で自民党を上回って全国傾向と同じでしたが、小選挙区の2議席で自民党が占めた「ねじれ」について、平井知事は「相反する2つの思いがないまぜになっている」との見方を示しました。
つまり、政権を選択するに当たって民主党に期待する有権者が多かった一方で、地域間格差の広がる不安が民主党だけの選択ではなく、自民党のこれまでの高速道路をつなげようとしたことを踏まえての期待が「ないまぜ」になって投票行動に表われた。
知事の分析は民主、自民両党にとって一考の価値あり、と思いました。
■選挙結果と個別政策評価のねじれ
民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げた高速道路の無料化は必ずしも評価を得ているとは言えない世論調査結果(本紙18日付1面参照)と、政権を託された衆院選結果が物語る民意の「ねじれ」をいかに読み解いて行動するかが新政権の課題と映ります。
片や、自民党は新政権が抱える不安材料を解消する受け皿になり得るか否か。「現場の生の声に耳を傾け、現実を直視しつつ、国民とともに夢と希望を抱くことのできる政策を描く」とは自民党が総裁選スタートの前日の17日にまとめた「自民党再生への八策」の一文です。
自民党の再生は政権交代の可能性を高め、議会政治の緊張感と健全性を高めます。
所属議員の数が減り、かつての活気を失った自民党本部(東京・永田町)で開かれた党再生会議の決意を絵に描いたもちにしてはいけません。(風)