「県民を見ているか」
「手続きに終始している。哲学が違う。これでは絶対なくならない。県民、国民のために仕事をしているか。預かっているのは公金。その意識があればおのずと変わってくる」―。
5日、鳥取県庁で開かれた不正経理問題に対する幹部会議。平井伸治知事は幹部を一喝しました。
この問題が発覚した際、何とも言えぬ不快感がこみ上げてきました。半面、いつまでこんなことをしているのだろうと。
平井知事は就任後、自ら県民の中に入り込むことで描く県政の姿を県民に示してきました。逆風もありましたが、何とかここまで来ました。さあこれからというときに、こんなことで…。信頼を積み重ねるのは大変ですが、失うのは一瞬です。県民、納税者は、こういった公務員が絡んだ不正を公務員が思っている以上に厳しく見ています。あれだけ県民に支持された片山知事も、最後は裏金問題でどうなったか、心が離れていきます。
今回の不正経理問題では、県側から国の補助金の使い切りやチェック体制などの問題点が指摘されますが、どうもしっくりきません。問題の本質はもっと別のところにあるのではないか。つまり、悪いことはしないという当たり前のことであり、常日ごろから県民のほうを向いて仕事をしているか、ということです。行政マンがそこで生活している人や納税者を見て仕事をしていれば、とてもこんなことはできるはずがないと私は思っています。
この日の会議では「虚偽の書類を作成し隠ぺいした」との指摘が会計当局からありました。問題となっている、業者に県の支払い品目とは別の品目を納入させる「差し替え」がそうです。業者が断れないことをいいことに自らの不正に巻き込んでいく。法律や規則にのっとって仕事をしている県職員がやることはありません。
外に出て、民間がどんなに苦労して仕事をつくり収益を上げ社員を養っているか見てください。農家がどんなに汗を流しているか。いかに県職員が恵まれた環境にあるか分かるはずです。県庁内部ではこんなことがまかり通るかもしれませんが、外から見れば問題外です。甘いと言わざるを得ません。もう一つ、「県民の声」でもたびたび指摘される県民への接し方についても、これまで外で何度耳にしてきたことか。謙虚さなど大部分は基本的なことでは。
この日の会議で平井知事は「もう一度魂を入れてやろう」「県庁一丸となってやろう」と呼び掛けました。ぜひやってください。二度とこんなことはしないと決意し、実行してください。信頼を回復するのは大変なことです。これまで以上のことをしなければなりませんし、時間もかかります。でも県民が誇るような県庁にしてほしい。それは私だけでなく、県民一人一人の願いだと思います。(鵜)