人生は後半から
「人生は後半から」―。本年度の水産功労者表彰を受賞した県漁協組合長の伊藤美都夫さんが話していました。
この日は伊藤さんの祝賀会。まさに「人徳」(発起人)で多くの知人・友人が駆け付けました。来賓のあいさつからも伊藤さんの人柄と仕事への情熱がよく分かります。「議場でも、このいまも日本海の荒波の中でどれだけ漁業者が頑張っているか分かってもらわないといけないと言われた」(平井伸治知事)、「若いころ青年団活動に明け暮れわが家の梨畑はせん定もできていなかった。帰ってみると妻が農業改良普及員の伊藤さんがしてごしなったぜと言う。この畑は遅れているなと思い、自らせん定ばさみでやられたのだと思う。頭が上がらない」(吉田秀光三朝町長)。まさに〝現場主義〟です。
多くの友人を前に伊藤さんも、率直に自らの思いを語られました。10年前、倉吉市長選で涙をのんだ翌日に県内の漁協の組合長が自宅に来て「漁連の会長になってごしない」と頼まれ引き受けたこと、就任後は経営改善のため職員のリストラに取り組み、またその職員のために再就職の世話に努めたこと。経費削減や組織をスリム化するのは大変なことです。漁業を取り巻く環境が厳しい中、合併したいまの県漁協は単年度黒字を出すまでになりましたが、伊藤さんは「職員にも苦労してもらった。(私は)職員や漁業者に守られて仕事をさせてもらっている」と感謝を忘れません。
この10年間はもう一つの顔である「政治」も含め、いろいろなことがあったと思います。苦労もされ、髪も白くなられました。
2次会のテーブルに、かつての伊藤さんと同じ経験をした人がいました。伊藤さんは「人生は後半からだぜ」とその人を鼓舞するように、また自分に言い聞かすように語っていました。人間は何歳になっても挑戦者であり、失敗しても再起できる。身をもって体験したことを、後輩に伝えようとしています。(鵜)