60歳からの主張
40歳を過ぎると自分の顔に責任を持て、と言いますが、60歳を過ぎると歴史が顔に出る。やっぱり、が今日の感想です―。「60歳からの主張」を募った全国老人福祉施設協議会の表彰式で審査員の田中一昭拓殖大学名誉教授にそう語らせた「顔」が写真の面々です。
エッセイ・小論文で入賞した東京都の須貝よしのさん(81)は病院の待合室やバスの車内で大声でしゃべる高齢者にうんざりするけど、飼っていた犬が誰にも迷惑を掛けなかったかと来し方を振り返り、〝齢七十〟にして「謙虚さ」に気付いた、と紹介。阪神大震災で経営した飲食店舗が全壊し、自宅も半壊した兵庫県の平井恵美子さん(62)は亡くなった同世代の隣夫婦を偲び、「明日が与えられる限りは明日を歓迎しよう。年齢で都合良く限界を作るまい」と生きる者の気持ちを表現していました。
「喜寿祝い 寿司に集まり われ孤独」は川柳の優秀賞に選ばれた東京都の佐々木恒男さん(77)作。切ない現実を材料に笑いを誘うセンスが光ります。高齢社会のデメリットばかりを考える風潮にあって、成人の日の11日に都内で行われた表彰式の出席者が老いへの希望を抱かせました。
15年後、鳥取県人口の年齢構成比は3人に1人が65歳以上で占めると予想されています。直面する少子高齢の時代をどう生きるか。60歳からの主張を基にした記者の考えは21日付本紙の海潮音にて。(風)