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2010年11月29日

「鉄道と旅と文学と」

姫路市の姫路文学館で昨日まで開催されていた特別展「鉄道と旅と文学と」を見てきました。


播磨の鉄道を中心とした豊富な資料・写真が多数展示され、大変見応えのある内容でした。
鉄道模型も充実していて、一緒に行った2歳の娘も大喜びでした。


これまでの鉄道展と違うのは、「文学」という切り口から鉄道を見ていること。
さまざまな作家の文学作品に登場する鉄道のシーンを、鉄道模型のジオラマで視覚的に再現しており、非常に新鮮な見せ方だと感じました。


個人的に最も興味をひいたのは、わが心の師である作家・宮脇俊三翁の遺品の数々。
途中下車印がびっしりと押された最長片道切符の実物、直筆の原稿、旅行中の取材メモ、
本に挿入する本人手書きの地図、乗車区間と乗車日を示す日本地図…。
原稿には何度も校正した形跡が残り、翁の几帳面な性格がうかがえます。
中央公論の編集長を務めた翁だけに、常に読者を意識し、
適切で分かりやすい文章を書くということに、全神経を注いでおられたということが、
あらためて良く分かりました。爪の垢を煎じて飲みたいぐらいです。


内田百閒の直筆原稿もありました。

「なんにも用事がないけれど、汽車に乗つて大阪へ行つて来ようと思ふ」

というフレーズが有名な阿房列車シリーズ。戦後間もない頃も、こんな変な人はいなかったでしょう。鉄道に乗ることそれ自体を目的化し、下車して観光することはなかったそうです。乗り鉄のはしり、神様です。

展示では興味深い文章が引用されていました。鉄道の旅は、行く時はよいのだけど、帰りは「帰る」という目的があるので面白くない、という内容。目的があったら駄目だと百閒先生は諭しておられます。なるほど。たしかに、あてもなくひたすら走りゆく汽車に揺られるのはたまらなく快感です。同じ汽車に乗っても、住んでいる場所に帰るのは面白くないのですね。日常からの逃避、これこそが鉄道の旅の醍醐味なのでしょう。(北)

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鉄道模型などさまざまな資料が展示されていた会場

2010年11月26日

若鉄に新たな仲間

晩秋の若桜谷に、北陸から古老がやってきました。
今日付の本紙でお伝えした通り、電気機関車「ED30 1」が無事、
隼駅の引き込み線跡に移設されたのです。

遠い加賀の地で活躍した電機は非電化の若鉄とは縁もゆかりもないのですが、
こげ茶色の車体は昭和の香りがし、隼駅周辺の雰囲気に意外なほどしっくりとはまっています。

車内を見せてもらいましたが、天井が木製なのに驚きました。

さて、社内ではこの形式を「何て読むのか?」と少々話題になりました。
新聞記事では「ED301」と表記していますが、FMラジオの日本海新聞ニュースは
声に出して読む必要があります。そこで関係者に念のため確認。
「イーディーサンジュウのいちごうき」もしくは「イーディーサンジュウ イチ」が正解だそうです。

北陸鉄道ED30形電気機関車の、最初に作られた1号機という意味です。
ただし、作られたのはこの1両のみで、2号機以降は存在しません。
したがって、この形式は世界に1両しかない、ということになります。
解体スクラップされなくて本当によかった、と思います。

ふるさとから遠く離れた地で「第二の人生」を送ることになったED30。
地域の人をはじめ、隼駅を訪れるライダー、鉄道ファン、子どもたちに、
末永く愛され続けてほしいですね。(北)

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長旅を終え、安住の地にようやく腰を落ちつけたED301


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同じ日に若桜駅に運ばれたロータリー式除雪車。JR貨物が所有し、北陸地方で使用されていたという。豪雪時に主として若桜駅構内で使用される予定

2010年11月22日

【限定30脚!!】14系客車の座席 ※座席マニア必見※

どなたか列車の座席、買いませんか?


樽見鉄道で解体された14系客車の放出品です。わけあって若桜鉄道の隼駅にやってまいりました。
体重をかけていないと元に戻ってしまう、初期型の簡易リクライニングシートです。


1970年代から採用され始めたシート。座席を前後移動させることで、背もたれをリクライニングさせる構造です。リクライニング角度はわずかで、リクライニングさせると座席の前後間隔が狭くなってしまうなど欠点が多く、非常に使いづらいものです。身近な場所では、急行「砂丘」号に使われていました。長時間の旅行には不向きでした。最近は完全にリクライニングできるシートが主流で、この形式は過去の遺物となりました。やや誇張して言えば、これも立派な鉄道近代化遺産。


1脚2万円(運搬費別途)です。県東部なら配達のサービスもあるとか。
売上は隼駅並びに若桜鉄道に移設予定の客車の運搬費用等に充てられます。
若鉄を応援するつもりで一脚いかがでしょう。


隼駅にデモ展示されている座席に腰をかけてみました。
お尻にあたるクッションの感じがほどよく、まだまだ十分使えます。


居間に置いてソファ替わりにするもよし、窓際に置いて物思いにふけるのもよし。
別売りのテーブル(3000円)にビールとつまみを置き、
時刻表片手に空想旅行を楽しむのもオツですね。
また、2脚買えば、回転させて向かい合わせのボックスシートとして利用することも可能。
やや狭いですが、小宴会にも使えそうですね(定員4人)。

筆者も喉から手が出るほど欲しい訳ですが、はたして妻から許しが出るかどうか…。
気になる方は、お早めに!!(北)

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隼駅にデモ展示されている14系客車のいす。わが家で旅気分が味わえるとは、マニアにとっては垂涎もの

2010年11月15日

キヤ141系気動車【ドクターWEST】を目撃

去る11月5日(金)、岩美町のJR東浜駅でキヤ141系気動車「ドクターWEST」を目撃しました。

翌日開催された「山陰海岸ジオパーク110㎞ウオーク 居組―浦富コース」の準備のために
同駅を訪れたのですが、ステンレスの車体に黄色のラインが入った2両編成の列車が
信号待ちのため停車しているのを発見。同行していた鉄道マニアの上司と同じく鉄道マニアの筆者は、
車体と共に記念写真に収まるなどして甲斐もなく大はしゃぎしてしまいました。

ちなみに、以前(修)さんも当ブログに書かれましたが、
この列車はレールのゆがみを測定したり、信号・通信系の測定を行う、列車のお医者さん。
新幹線の「ドクターイエロー」を見た人には幸せが訪れると言われますが、
ドクターWESTもそうでしょうか?見た目は新快速ですが、エンジンは187系と同じなんですねー。

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2010年11月12日

隼駅に50年前に作られた電気機関車がやってきます

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今日の日本海新聞20面をご覧ください。
「レール敷設参加者募集」の記事。興味のない人は読み過ごしてしましそうですが、
我々マニアにとっては重要な情報が書かれています。

北陸鉄道(石川県)から若桜鉄道の隼駅へ、
1954年製の電気機関車「ED30 1」が移設されることになったそうです(拍手)!!

今年9月に移設された長野電鉄の貨車以来の「快挙」と言ってよいでしょう。
これでますます、若桜鉄道が「生きた鉄道博物館」らしくなってきました。

北鉄のED30の予備知識はほとんどありませんので、ネット上で検索。
ダム建設の資材搬出入のために作られ、その後は主に貨物列車の牽引車として活躍。
晩年は稼働が少なくなったものの、豪雪時は持ち前のパワーを発揮し除雪車がわりに奮闘した模様。
2010年に現役引退。間違っていたら指摘してください。
メカニックなことは分かりませんが、デッキのある外観が戦前戦後の国鉄の電気機関車を彷彿とさせます。

隼駅を守る会のメンバーの一人に電話をすると、「若桜鉄道が北陸のメーカーからロータリー除雪車(中古)を格安で購入することになり、それと一緒に持ってきてくれることになった」とのこと。「急に決まった話」だそうです。状態は良く、まだ走るそうですが、若桜鉄道はご存じの通り非電化なので架線を張らないと走りません(笑)。

ロータリー除雪車と言うのも気になります…。こっちのほうが詳細がまだちょっと不明。

機関車の移設を前に、14日、隼駅でレールの敷設作業があります。手作業です。鉄道会社の保線区の職員じゃないと、普通レールなんて敷けません。しかも模型じゃなく、1/1の本物!! 私はあいにく仕事で行けませんが、手のあいた方はぜひお手伝いを…。(北)

2010年11月11日

まち・えき・のりものフェスタ

 9月に掲載した「はまかぜ」の写真の撮影場所は鳥取駅ではないとコメントいただいています。確かに3軌道あったような気がしますね。するどいご指摘ありがとうございます、それでは、あれはどこかというと、記憶はあいまいなもので、思い出すことができません。すみません。
 まち・えき・のりものフェスタが10月30、31日に鳥取駅付近で開催されました。少し携わっていて、とても忙しい日々を送っておりました。なかなか、納得のいくものはできませんが、少々でも楽しんでいただければうれしいものです。台風の接近、あいにくの雨模様により降ったりやんだり、気がきでない天気で、余計にくたびれました。
 展示会場には東田さんにご協力いただいて、小さいながらNゲージ鉄道模型を展示することができました。東田さんの本ちゃんはサルーテの方で大々展示をしておられましたので、こちらは少しこじんまりと。
 30周年の記念展示でしたので、少し古い感じから現代のスーパー特急まで走らせてもらいました。写真も展示したんですが、これはもう、懐かしいの一言でした。
 こういうイベントに少し関わらせてもらい、なんとなく楽しい時間を過ごしました。また、やるときは素晴らしいものを作りたいと思っています。(修)
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東田さんの展示、レールバスのような車両も、踏み切りで停車中の車もなつかしい

2010年11月08日

新旧交代

11月6日、キハ181系「はまかぜ」が最終運転。そして翌7日から新型車両キハ189系での運行が始まりました。

両日とも弊社主催・共催のイベント運営に追われて見送りに行けませんでしたが、仕事の合間を縫って、西鳥取車両支部近くで待機中のキハ189を撮影することができました。

5日の深夜には、最終列車としての役目を終えたキハ181と、早朝の出発を待つキハ189の両方が、同支部で顔合わせ。たまたま最終の下り普通列車の窓から確認できました。まさにバトンタッチの瞬間でした。

新型車両に乗っていないので実感はわきませんが、もう定期列車としての181系には乗れないのですね。新しい車両に乗って、たくさんの人が但馬や因幡に来てくれれば、それでいいのですが。

でもやっぱり寂しいなあ。


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西鳥取車両支部で待機中のキハ189=6日午後5時ごろ


※181系に対するみなさんの思い出話をコメントでお待ちしております。最終日の様子も教えてください。