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輸出本格化の障壁に 中国向け水産品の新検査制度

2010年03月20日

 日本から中国に水産品を輸出する際に行われることになった新しい検査制度が、西日本有数の漁業基地・境港などから水産品を輸出する際の大きな障壁になっている。従来に比べて検査費用などが多額な上、検査窓口が減ったことで場合によっては輸出に間に合わないケースが出る可能性があるため。境港からは中国向け水産物輸出が本格化しようとする矢先だけに、関係者は頭を悩ませている。

境港水産物輸出入促進協議会による上海での試験販売=2008年1月

 新制度は昨年11月の厚生労働省部長通知に基づいて2月から始まった。中国に鮮魚、水産加工品などを輸出する際、最終加工・保管施設の登録に加え、製品に科学的な汚染がないかどうかなどの自主検査、登録検査機関による現地でのサンプリング検査が求められ、証明書が必要になる。

大チャンスなのに

 現地検査、衛生証明書の発行は従来は各地の保健所などで行われていた。しかし、新制度では検査機関が大幅に減ったのに加え、証明料が300円から5千円に、現地検査料が千円から2万1千円に上がった。現地検査料は1品目ごと、1回の輸出ごとに必要な上、担当者の神戸からの出張旅費3万6千円も輸出業者の負担になる。

 例えば境港から3種類の鮮魚を輸出する場合、1回の輸出ごとに現地検査料6万3千円と出張旅費3万6千円、証明料5千円が必要となる計算。商談に使うサンプルでも同様の費用が発生する。

 この新制度に対し、境港では「事実上、輸出を断念せざるを得ない」という声が上がる。小ロットでの輸出では経費負担が重い上、検査にも時間がかかる懸念があるため。3年前から中国への水産品輸出の可能性を探ってきた境港水産物輸出入促進協議会(島谷憲司会長)は今年、5月からの上海万博を「またとないビジネスチャンス」(島谷会長)ととらえて現地担当者を上海に配置し、本格輸出を始めようとしていた矢先だけに、新制度は大きな障害だ。

態勢整っていない

 新検査制度について厚生労働省は「輸出量の増大で保健所で対応できなくなったことに加え、『官から民へ』への中で検査や証明書発行を民間に移管した」と説明。検査料についても「検査機関が増えれば競争原理が働き、安くなる」とする。

 島谷会長は「大量輸出では費用も回収できるが、小ロット品は事実上輸出できなくなる」とし、「国として安心・安全なものを輸出しようという方向は間違っていないが、検査機関などの態勢が整っていない中での実施はおかしい。そもそも国内で安心といわれている鮮魚などにそこまでする必要があるのか」と疑問を呈し、国などに検査料負担などの措置を求めている。



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