2017年1月11日

お嬢サバ 岩美で育てます 陸上養殖、来年春出荷へ

 JR西日本は10日、地下海水を利用したマサバの陸上養殖事業に乗り出すと発表した。鳥取県栽培漁業センター(湯梨浜町石脇)との共同研究を通じて事業化のめどが立ったことから、岩美町大谷の網代漁港に陸上養殖施設を整備し、2018年春の出荷を目指す。生で食べられるのが特長で「鳥取生まれの箱入り娘お嬢サバ」の名称で販売。鳥取発の新ブランドとして期待が高まる。

 地下海水は、砂などがフィルターの役目を果たして食中毒の原因となる寄生虫が付きにくく、一般的には生食しないサバを生のままで提供できる利点がある。JR西は県有地に地下海水をくみ上げる井戸7カ所、飼育用水槽(50トン)9基、出荷用水槽(10トン)4基を新設。今年6月に養殖を開始する。建設費は約6千万円。このうち県が2千万円、岩美町が1千万円を補助する。県有地の占有契約は5年更新。

 同センターで生産した稚魚を養殖し、初年度は3~5月に3万~4万匹を出荷する計画だ。白子や卵も食べられるため付加価値が高く、平均卸売価格は1匹当たり約900円を見込む。関西や首都圏への出荷のほか、地元の旅館や飲食店との取引、海外展開も目指す。

 JR西と県、岩美町の3者は同日、知事公邸で養殖事業に関する協定に調印した。

 JR米子支社の松岡俊宏支社長は「『お嬢サバ』を県ブランドとして確立し、地域活性化に貢献したい」と述べ、平井伸治知事は「海水養殖は技術革新。いいサバを育て、魅力を高めて」と期待。榎本武利町長は、同町の東浜駅に「トワイライトエクスプレス瑞風」が停車することを踏まえ「乗客をもてなすレストランで『お嬢サバ』を使ってもらえたら」と願った。

 JR西は、一昨年からサバ料理専門店を通じて大阪、東京、シンガポールなどで「お嬢サバ」の市場調査を実施していた。(今岡浩明)