2017年10月7日

励ましに「恩返しを」 北条ワイン仕込み大詰め

 鳥取中部地震で約5万本のワインを失うなど、大きな被害を受けた北条ワイン醸造所(北栄町松神、山田定広代表)は6日、ブドウを搾る仕込み作業が大詰めを迎えた。3代目となる専務の山田和弘さん(41)は地震から1年を迎えるのを前に「おいしいワインを造って恩返しをしたい」と話す。

 和弘さんは、地震の被害を受けた蔵の光景を見た時、「正直(会社が)つぶれたと思った。1週間は何もできなかったが、励ましのメールや電話が寄せられ“頑張っていかないと”と気持ちを切り替えた。皆さんのおかげで前に進めた」と話し、作業に精を出す。

 この日は、従業員ら4人が手分けをして、ブドウを 機械に入れて果汁を搾り出した。地震で壊れた機械類は、1年かけて修繕し、仕込みの時期にようやく間に合わせたという。

 今シーズンは、ブドウ約25~30トンの仕込みを行い、このうち1割弱が赤、白の「ヌーヴォ」として11月から県内外で販売される。

 和弘さんは「ワインは造ってすぐに出すものではなく“寝かせてなんぼ”。地震の影響を取り戻すには5年、10年かかる」と言うが、「スタッフにけがもなく、畑も被害がなかった。新たな気持ちでやっていきたい」と気を引き締めた。(加嶋祥代)