2018年6月14日

とっとり文学賞 「みなんごあんの春」足立さんが受賞

 「第5回とっとり文学賞」(新日本海新聞社、政経レポート共催、中央印刷特別協賛)の最終審査が13日までに鳥取市内で行われ、最優秀に当たる文学賞は足立悦郎さん(71)=境港市=の「みなんごあんの春」に決まった。作品は7月中旬に刊行される。

 活字文化の活性化を目指して設立した同文学賞は、鳥取県在住、出身、在職者を対象に公募。ジャンルは小説、評論、紀行、自伝で、最優秀に選ばれた作品を書籍化して出版、販売する。今回は過去最多の40編の応募があり、1次審査を通過した小説6編を6人の審査員が選考した。

 足立さんの作品は、41歳で亡くなった鳥取市出身の自由律俳人、尾崎放哉をテーマにした長編小説。豊富な資料に基づき、孤独ながらも優れた俳句を残し、手紙を通して多くの友人とつながっていた晩年の放哉の姿を描いた。

 審査員は「放哉の資料をかなり読み込んだ上で、自分の中で角度を変えながら書いている。文章力もある」とし、全員一致で文学賞に選んだ。

 足立さんは受賞に「放哉をテーマにした小説はこれで3作品目だが、長編は初めて。取材に1年ほどかかった。充実感のある作品になった」と話した。(中村宏)