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vol.71内窓で快適空間


2014.1.30

地球にも家計にも優しいエコアイテム
湯梨浜町役場の取り組み


 本格的な寒さが続き、家の暖房代がかさむのは悩みの種。そんな中注目を集めているのが、既存の窓の内側にもう一つ窓を付ける内窓だ。窓からの熱の出入りを抑え、住まいを断熱化。より少ないエネルギーで快適になり、温暖化ガスの削減に貢献するほか、電気代の節約や遮音、防犯にも有効。地球にも家計にも優しいエコアイテム、内窓の効果について紹介する。
新しく取り付けられた内窓。断熱効果だけでなく、遮音性もアップした=湯梨浜町久留の町役場
総務課に設置された温度計。暖房時で内窓内と室内の温度差が10度近くあり、高い断熱効果が表れている=1月24日、午前10時ごろ
庁舎内の主要スペースに内窓が取り付けられている湯梨浜町役場

外気の影響緩和 結露防止や遮音効果も

 湯梨浜町役場(同町久留)では昨年3月、省エネ計画の一環として内窓と断熱性の高い複層ガラスを導入した。外窓のみのときと比べて冬季の外気の影響が緩和され、職員や町民から「去年より暖かくなった」と好評を得ている。

 従来の単板ガラスを複層ガラスに替えた窓と、外窓の内側に複層ガラスの内窓を付けた2種類を議会場などを除く庁舎内の主要スペースで使っている。複層ガラスとは、2枚の板ガラスの間に中空層を設けたもの。同役場では断熱性の高いアルゴンガスを中空層に入れ、熱線反射ガラスを組み込んだ複層ガラスを採用。窓からの熱移動を少なくし、冷暖房効率がアップするほか、断熱効果があるため結露を防ぐとされる。

 県地球温暖化防止活動推進センター(鳥取市若葉台北1丁目)が昨年12月からことし1月までの20日間、同役場総務課の室内温度を計測した結果、室内温度と外気温の差は平均10・1度(標準偏差3・6度)。内窓内の温度と外気温の差が3・3度(同2・9度)に比べて大きな差があった。調査は暖房や太陽熱、人の動きなどの影響を少なくするため、午前6時から午後6時までの測定値を削除している。

 同センターによると、庁舎内の内窓は建物の構造上、通常の内窓より厚く、外窓からやや離れた位置に取り付けられている。外窓と内窓の間の空気層が厚くなり、外気の影響を受けにくく、より高い断熱効果が表れるという。

 同役場総務課の宮脇和宏主事は「窓側の席の職員より、背中から冷たい風を感じなくなった、車の音が小さくなり静かになったという声を聞く。確かに去年より暖かい」と歓迎。「冬場の足元など室内温度を一定にする方法を考え、より快適な室温環境を整えたい」と期待を込める。

 同役場では、2011年に太陽光発電設備を新庁舎屋上に設置。昨年1年間で4万キロワット、約15%の電気使用量を削減するなど環境問題に積極的に取り組んでおり、宮脇主事は「今後も無理のない形で省エネにつながる活動を進めたい」と話している。



衣川鳥取環境大名誉教授に聞く

空気の層で断熱化 発泡シート、すだれも有効

衣川名誉教授
 内窓の仕組みや効果、家庭でできる省エネ対策について、鳥取環境大学の衣川益弘名誉教授に話を聞いた。

 −内窓の断熱効果が注目されている。

 「物質によって熱の伝わり方(熱伝導率)が違う。熱伝導率が高いほど熱が伝わりやすく、伝わる速度は熱伝導率と温度差によって決まる。アルミニウムなどの金属はガラスに比べて熱伝導率が非常に高く、空気は非常に低い。窓は住まいの中で一番熱の出入りが大きい場所なので、窓の断熱対策が重要になる」

 −内窓の仕組みは。

 「内窓を設置することで今ある窓と内窓の間に空気の層が生まれ、室内の熱が外に逃げにくくなる。断熱性能が上がり、外気の影響を受けにくい快適な室内空間になる。空気の層をまとい、保温性を高めた羽毛布団と同じ仕組み」

 −種類や設置場所によって効果の差はあるか。

 「樹脂製枠など熱が伝わりにくい素材にすることも重要。夏は日が当たる南側、冬は北側など、温度差の高い場所に置くと効果が高い。扇風機などで風を送り、室内の温度を均一化するとよい。内窓の取り付けが難しい場合は、冬なら窓の内側を発泡ポリエチレンシートで覆うのも効果的。夏は外にすだれを置き、日差しを遮ることでさらにエアコンの効率を上げることもできる。葉が水分を蒸発するときの気化熱による涼風効果があるグリーンカーテンもお薦め」

 −地球の環境問題を考える上で大切なことは。

 「環境先進国のドイツなどヨーロッパでは、窓の断熱性能に厳しい基準が定められている。日本でも住宅の省エネ対策が講じられているが、窓の断熱性能についての義務基準はない。地球の環境保護や省エネを考える上でも建物の断熱は重要で、法的な仕組みを整えることが求められる」


ウォッチ地球環境

温暖化「疑う余地はない」

面積が縮小し、厚さが薄くなり続ける海氷=ノルウェー・スバールバル諸島(提供・ノルウェー極地研究所)
 昨年秋に公表された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は第5次評価報告書で、温暖化については「疑う余地はない」との観測事実と「人間による影響が20世紀半ば以降に観測された温暖化の最も有力な要因であった可能性が極めて高い」との表現が記されました。

 大気中のCO2、メタン、一酸化二窒素は過去80万年間で前例のない水準まで増加し、産業化前からの世界平均気温上昇を2度以内に抑えるためのCO2排出は790ギガトンが上限とされていますが、2011年までに約515ギガトンが累積排出されているので、今後排出が許される量の上限が迫っており、政策への早急な反映が求められます。

 温暖化は、世界各地で海面上昇や寒波や熱波、渇水、豪雨など異常な天候を増加させる要因であると報告書は警鐘を鳴らしています。

 (鳥取県地球温暖化防止活動推進センター・山本ルリコ)








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