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vol.88中海の環境浄化を目指すNPOの取り組み


2015.6.21

市民巻き込み美化、再生
関心高め、循環型社会へ

泳げる中海を実現した「中海オープンウオータースイム」=4回大会、2014年6月
水質浄化の藻刈り作業を体験する学生たち=2012年8月
昨年11月に植え付けし、発芽したアマモ=3月4日、境港市の外江西工業団地沖(未来守りネットワーク提供)
 今年11月、中海・宍道湖はラムサール条約湿地に登録されて10周年を迎える。2002年、中海の干拓・淡水化事業が中止されて以降、中海再生への取り組みは官民挙げて進められている。先駆けてその礎をつくった鳥取県西部の二つのNPO法人の活動を振り返った。

泳げる中海へ

 02年(NPO認証は07年)に誕生した「中海再生プロジェクト」(内藤武夫理事長、米子市河崎)は「10年で泳げる中海」を掲げ、清掃活動などを通して市民の中海への関心を高めてきた。  その中心が06年4月にスタートした「中海アダプトプログラム」だ。賛同する企業や団体が年3回程度、10〜100メートルの担当する持ち場で湖岸を清掃奉仕する。  前年、ラムサール条約に登録されたものの、当時の中海湖岸は、打ち寄せられ堆積したごみであふれていた。特に家庭からのごみが目立った。多くの市民を巻き込んで美化を広げる必要があった。  プログラムを進める一方、事務局を置く中海テレビ放送では、中海の環境をテーマに番組をシリーズで制作。また夕暮れコンサートなどの啓発イベントも展開してきた。  現在、アダプトプログラムは、米子市の湊山公園を中心に安来市から境港市にかけて広がり、106の企業、団体が参加。市民の目が中海に注がれ、ごみは見違えて減った。  発足から10年目の11年、「オープンウオータースイム」を中海の米子湾で初開催。“公約”の泳げる海を実現した。5回大会の今年は6月28日に開催。県内外から約200人の選手が参加する。  「汚いという中海のマイナスイメージをようやくゼロにまで戻した。さらに関心を高めていきたい」と上田敏之理事。内藤理事長は「次代の子どもたちにもっと中海に親しんでもらう。そこを見落とすと中海はきれいにならない」と話す。

海藻肥料の活用

 04年に発足した「未来守(さきも)りネットワーク」(奥森隆夫理事長、境港市大正町)は、水質改善を目指して取り組んできた。  真っ先に取り組んだのが海草のアマモ再生事業だ。かつて遠浅で透明度もあった中海。豊かな生態系を支えてきたのが浅場に広がるアマモ場だった。しかし、しゅんせつを繰り返した干拓事業で海底の地形は一変。アマモ場は激減していた。  第1回のアマモ移植は05年11月に行った。専用の播種(はしゅ)シート20枚(約100平方メートル)に種子を植え付け、水深1〜2メートルの海底に固定した。この事業は、6月の種子採取と併せて、市民や子どもたち、漁業関係者が多数参加するイベントとして定着、14年までに移植は10回を数えている。08年からはアサリの稚貝も放流し、着実に成果を上げている。  毎年、中海で大量に発生し、腐敗すると水質を悪化させるオゴノリなどの海藻を肥料にした海藻農法も確立した。カリウムや鉄分、ミネラル、アミノ酸を多く含む、安心・安全の天然の肥料だ。  中海に面した弓浜半島では1960年ごろまで多くの農家が伯州綿などの畑作に肥料として利用。藻刈りといい、農家自らが舟でオゴノリなどの海藻を採取。水質浄化の役割を果たしていた。  現在、県西部を中心に50農家が50ヘクタール以上の農地で海藻肥料を使用。今年の2学期から、日野町産「海藻米」が境港市の小中学校の給食で使われる予定だ。  「中海ほど海藻肥料を生産できる場所は全国にない。中海再生を通して環境だけでなく、経済もしっかり循環する地域づくりを進めていきたい」と奥森理事長は話している。

トップが語る環境問題

石炭灰を活用した環境改善策

中国電力
鳥取支社長 芦谷 茂

 当社は「自然との調和」を経営理念に掲げ、環境問題に積極的に取り組んでいます。その一つとして、石炭火力発電所から発生する石炭灰のリサイクル材を活 用したさまざまな環境改善技術の開発を進めています。中海においても、リサイクル材(ハイビーズ)による水質改善に向けた実証試験の効果が表れており、そ のほか、沿岸・河川の浄化や建設現場における地盤改良等で環境改善効果が確認されています。今後も地域のニーズを踏まえながら石炭灰の有効活用に取り組ん でまいります。


ウォッチ地球環境

世界各地の水不足深刻化

世界で最も有名なナイル川は、世界で最も汚染された川の一つでもある(ドイツ環境省ホームページより)
 地球は表面の7割を海で覆われた「水の惑星」ですが、世界人口の10分の1は、安全な水が飲めません。汚染の恐れがある水源の水を口にして命を落とす乳幼児は、毎年150万人以上に上ります。
 日本では人口の100%、先進国全体では99%が「安全な飲料水」を利用できるのに対し、発展途上国では利用できない人が16%、「サハラ砂漠以南のア フリカ」では42%です。そして、この世界各地の「水不足」は、人口増や地球温暖化などによって深刻化し、2025年には世界人口の3分の2が、日常的に 水に不便を感じる「水ストレス」状態になると予測されています。
 日本の降水量は世界平均の2倍ですが、利用可能量は意外に少なく、1人当たり水資源量では世界平均の半分以下です。水不足を感じずに済んでいるのは、食 料自給率が40%の食糧輸入大国だからです。今後は、世界の水不足で食料輸入量が減る可能性があることなどから、水不足は対岸の火事では済まない大きな問 題です。
 (鳥取県地球温暖化防止活動推進センター 山本ルリコ)
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