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vol.103よみがえれ中海 自然再生への活動を紹介


2016.11.23
 
 「よみがえれ、豊かで遊べるきれいな中海」。鳥取、島根両県にまたがる中海で、自然再生に向けたさまざまな活動が行われている。産業活動で排出される石炭灰を使った水質浄化の実証実験と、水質調査の取り組みを紹介する。

湖底くぼ地に大量のヘドロ

石炭灰造粒物で埋め戻し 生物の生息環境改善へ
安来市の細井沖で行われた石炭灰造粒物による埋め戻し作業=2014年12月

 中海の水質に悪影響を与える湖底の浚渫(しゅんせつ)くぼ地を、火力発電所の副産物である石炭灰造粒物で覆う埋め戻し事業が取り組まれている。

 中海には、戦後の干拓事業などで掘削された浚渫くぼ地が弓浜半島から安来市にかけての沿岸部に13カ所(計約800ヘクタール、約3100万立方メートル)ある。くぼ地に たまった大量のヘドロから窒素やリンが溶出して赤潮の 原因になり、赤潮で生物が死滅してヘドロとして堆積する環境劣化のスパイラルが憂慮されている。

 この事業は認定NPO法人自然再生センター(松江市、徳岡隆夫理事長)が中心となって、自然再生推進法(2003年施行)に基づく中海自然再生協議会の一つの事業として12年度から16年度までの5カ年を第T期として取り組んでいる。

 米子、安来両市沖の2カ所の小くぼ地で、これまでに中国電力(広島市)の協力で提供された約8万立方メートルの石炭灰造粒物を、厚さ70〜90センチでまく試験的な事業が実施された。

 その結果、二つのくぼ地では、貧酸素化の軽減と生物の生息に決定的な影響を与える硫化水素の発生を抑制する効果が報告されている。

 徳岡理事長は「収集したデータの 解析を進め、結果を踏まえた上で、来年度以降の第U期事業に取り組んでいきたい」と話している。

水質の変化長年調査分析

米子高専物質工学科

中海の水を採取し、水質を調査する米子高専物資工学科の学生たち=17日、米子市葭津
 石炭灰の活用やアマモ再生事業など、水質浄化に向けたさまざまな取り組みが進む中海。その一連の基礎資料となる水質調査に長年取り組んでいるのが米子高専(米子市彦名町)の物質工学科だ。

 現在は環境工学が専門の藤井貴敏助教の研究室を中心に、教員や学生たちが協力して調査分析を進めている。

 米子市の委託を受けた中海の水質調査は1999年から。主に6月、8月、10月の年3回、米子湾中央、大海崎沖、江島沖など中海全域を網羅する12地点を調査ポイントに、中海の上層、中層、下層の水と、湖底の汚泥を採取し分析している。

 2014年からは、中海干拓・淡水化事業に伴ってできた浚渫くぼ地のうち、石炭灰を活用して埋め戻しをした錦海団地沖でも水質を調査。くぼ地では流動が生じないため堆積したヘドロが水質悪化に影響しているとされ、埋め戻しの効果を見るのが目的。認定NPO法人自然再生センターの委託を受けて行っている。

 一方、独自に中海流入河川の水質調査も1970年代から定期的に行ってきた。現在は新・旧加茂川、飯梨川など主要河川8本で水質調査を行い、複合的に中海の水質環境を捉える。

 「中浦水門が2009年に撤去され、緩やかだが中海の水質は改善傾向にあるようだ。ただ年度によって数値の浮き沈みもあり、有機物を含むヘドロの堆積も部分的に著しい。根本的な水質改善は循環の流れをつくることだろう」と藤井助教は指摘。継続してデータを積み重ね、注視していきたいとしている。

トップが語る環境問題

石炭灰リサイクルへ開発

中国電力株式会社鳥取支社
(鳥取市新品治町)
支社長 天野 浩一


 当社では循環型社会形成の推進に向けた取り組みの一環として、石炭火力発電所から発生する石炭灰を有効利用したリサイクル材の開発を進めています。リサイクル材「ハイビーズ」については、中海において水質改善に向けた実証実験の効果が表れており、沿岸、河川の浄化や建設現場における地盤改良などでも環境改善効果が確認されています。

 また今年11月、ハイビーズの製造拠点を新小野田発電所(山口県)から三隅発電所(島根県)へ移設し、より安定的、継続的に製造できる態勢を整えました。今後も石炭灰の有効利用を通じて、環境改善に貢献してまいりたいと考えています。

製造にグリーン電力活用

アサヒビール株式会社山陰支社
(松江市東朝日町)
支社長 立石 仁司


 アサヒスーパードライ缶350ミリリットルと、ギフトセットのすべてのビール類の製造にグリーン電力を活用しています。2009年にこの取り組みを開始してから累計製造本数は94億本を突破し、グリーン電力活用量としてはアサヒスーパードライが日本でナンバーワンとなっています。

 風力やバイオマスなどの自然エネルギーで発電されたグリーン電力は、二酸化炭素の排出量が少なく、枯渇しないエネルギー源という点で、地球環境への負荷が少ないエコなエネルギーであるといえます。アサヒビールは、これからもこのグリーン電力の活用を継続することで持続可能な地球環境に貢献していきたいと考えています。

ウォッチ地球環境

世界中で気象災害頻発

米フロリダの沿岸を襲ったハリケーンマシュー(写真提供:シャッターストック)
 世界気象機関が、世界の年平均二酸化炭素濃度が初めて400ppmを超えたこと、また2016年10月までの世界平均気温が断突で最高となったことを発表しましたが、温暖化と異常気象の関係を裏付けるかのように世界中で気象災害が頻発しています。

 インドでは4月から6月までの熱波で約300人の犠牲が出たほか、10月にカリブ海諸国を襲ったハリケーンマシューによる災害は最貧国のハイチで死傷者約千人、米国フロリダでも約40人の死者を出すなど深刻な爪痕を残し、南アフリカは2年連続の大干ばつで約17万人が食糧不足にさらされているとの報告があります。

 日本でも、夏に沖縄周辺の海面温度の異常高温でサンゴ礁の白化が 加速したり、8月下旬から9月にかけて北日本の台風と 大雨の影響で死者が出たりするなど各地で被害に見舞われ、日常生活でも野菜価格に影響が出ています。

 温暖化対策の世界的な取り決め「パリ協定」の発効が予想以上に早かったのは、このように異常気象の影響が甚大となり待ったなしの状況だからです。化石資源を燃やさない脱炭素社会の一刻も早い構築が望まれているのです。

 (鳥取県地球温暖化防止活動推進センター、山本ルリコ)
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