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vol.106 世代超え楽しく伝える


2017.2.24
 
 世界各地で異常気象が頻発する中、着実な温暖化対策が求められている。地域や家庭で温暖化防止活動を率先して実行する「とっとりエコサポーターズ」は、温暖化対策の旗手として期待される。エコサポーターズとして活動する公立鳥取環境大の学生グループを訪ねた。

鳥取環境大の学生団体 「エコ戦隊スナバーズ」 

次回の舞台に向けて練習するエコ戦隊スナバーズの学生たち=鳥取市若葉台北1丁目の公立鳥取環境大
地産地消フェアの舞台で演技するエコ戦隊スナバーズ。子どもたちものりのり=鳥取市賀露町西3丁目のわったいな

修理した放置自転車をポートに並べる(右から)幸本さん、宮地さん=鳥取市若葉台北1丁目の公立鳥取環境大

■鳥取ラブビーム

 エコ戦隊スナバーズ参上。1月28日、鳥取市賀露町西3丁目の地場産プラザわったいなで開かれた「地産地消フェア」(鳥取市など主催)。周り一面白銀に覆われた会場は、子どもの歓声に包まれた。

 エコ戦隊は昨年11月、エコサポーターズに委嘱された鳥取環境大の学生7人で結成された。子どもが大好きな戦隊キャラで、環境問題を分かりやすく知ってもらうのが狙いだ。

 初舞台のこの日、やや緊張しながらも堂々の演技。ヒーローのスナバーズが、悪役のフードマイレージと闘い、必殺技の鳥取ラブビームを繰り出して撃退。子どもたちに問い掛けた。

 「鳥取産の二十世紀梨やハタハタと、輸入された洋梨やサーモン。どちらを食べる方が環境に良いだろう」

 シナリオもテーマソングも自前で作った。テーマは「地産地消」。身近な地域でとれた農産物や水産物をその地域で消費する地産地消を推進することで、フードマイレージ(食料の輸送距離)を縮め、環境への負荷を軽減する。地元の特産品を数多く盛り込み、地産地消の大切さをアピールした。

 スナバーズ役の幸本伊織さん(20)は「難しいテーマだけど、子どもたちに楽しんで理解してもらえた」と手応えをつかんだ。

■「100人の1歩を」

 エコサポーターズは、家庭の二酸化炭素排出削減や地域での温暖化防止活動を推進する地域のリーダー。県主催の無料の講座を受講すると、知事から委嘱を受ける。現在、約100人が登録される。

 温暖化防止は必要だと多くの人が認識しているが、具体的な行動は難しいのが現状。エコサポーターズが地域の推進役となって活動することで、周りの人も取り組みやすくなる。メンバーをどう増やすか、課題だ。

 「エコ戦隊は子どもからお年寄りまで幅広い人たちに温暖化対策を楽しく伝え、エコサポーターズの存在をアピールしてくれる」。鳥取県地球温暖化 防止活動推進センターの山本ルリコさんは、学生の活動に期待する。

 その上で「どんな取り組みも『1人の100歩より、100人の1歩』。より多くの人が低炭素社会に向けて一歩一歩前進する方が、楽しくて効果的」とエコサポーターズへの参加を呼び掛ける。

■修理してシェア

 エコ戦隊のメンバーたちは大学に入り、エコサポーターズの研修で学んだり活動したりするうち、環境問題に関心が深まり、温暖化対策の大切さを実感した。エコ戦隊の音響担当、宮地歩さん(22)は「生き方が変わった」と打ち明ける。

 宮地さんや幸本さんは放置自転車の再利用に取り組んでいる。JR津ノ井駅周辺の放置自転車を回収し、修理。空色に塗装した自転車を、「ポート」と呼ばれる拠点に設置する。会員登録した人に自転車の鍵の番号を教え、会員は自由に使用。翌日までにポートに返す仕組みだ。

 宮地さんは「津ノ井地域と大学の交流が深まり、物を大切にし、自転車のあるまちづくりが進んでいる」と効果を実感する。

 宮地さんは今春、出身地の姫路市に帰り、就職する。「社会人になってもエコサポーターズの精神を持ち、積極的に環境問題に関わりたい」

■クールチョイス

 エコ戦隊の次回の出番は2月25日、鳥取市片原5丁目のショールーム・サルーテで開かれる「こどもエコクラブ交流会」(午後1時半開演)。環境省が提唱する温暖化対策「クールチョイス」をテーマに、家庭で取り組めるエコ活動について紹介する。

 スナバーズの必殺技、鳥取ラブビームは鳥取の「T」とラブの「ハートマーク」を両手で作って、鳥取の自然豊かな環境を守る決意を表す。

 幸本さんは「もっとテーマを広げて、子どもに愛されるヒーローになりたい」と意欲を燃やす。要望があれば、県内の保育園や小学校などどこにでも出掛ける。頑張れ!エコ戦隊スナバーズ。


トップが語る環境問題

災害ごみの処理に従事

北溟産業
(倉吉市岡)
代表取締役社長 中川 優広

 2015年2月に、中部1市4町と、弊社などが所属する中部清掃事業協同組合との間で「災害時における災害廃棄物処理等の協力に関する協定」を締結しました。大規模な地震や風水害などにより発生したごみの円滑な処理に備えたものでしたが、まさかその翌年の10月に鳥取県中部地震が発生するとは、思いも寄りませんでした。

 私どもは罹災(りさい)された方々の生活の再建を願い、協定にのっとって地震発生直後から、災害ごみの処理に携わりました。家屋の復旧などまだまだ時間が掛かると思いますが、一日も早い生活環境の整備と復興を望んでいます。

お薦めの一冊

「あたらしい家づくりの教科書」

松尾 和也 他共著

 初めて家を建てる人を対象に「『良い家づくり(高性能なエコハウス)の意義(メリット)』を伝えます」とのキャッチフレーズですが、家を建てた人や建てる(建て直す)予定のない人にも必見です。

 光熱費を抑え快適に暮らせる燃費のいいライフスタイルについて、データを用いて分かりやすく、すてきな写真とともに表現されています。エネルギーを通じて建築物が地域経済にもたらす恩恵について、読むとふに落ちます。 (新建新聞社・1620円)
 (とっとりエコサポーターズ、関口浩太)

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