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vol.114柔らかな炎に心ホッと


2017.12.30
 
 寒さも本番を迎え、環境にやさしい「木質バイオマス」を燃料にした暖房器具が注目されている。森林に恵まれた鳥取県では、最適な暖房の一つだろう。薪(まき)ストーブやペレットストーブを利用する家庭を訪ねた。

「木質バイオマス」燃料の環境にやさしい暖房

ペレットストーブの炎を前に笑顔の山根さん家族
袋に入ったペレットをストーブ本体に入れる山根さん

■ペレットストーブ■
扱いやすく管理も安心

 倉吉市長坂町に住む大学職員、山根誠さん(65)の自宅を訪れると、居間の一角に置かれたストーブで炎がゆらめいていた。「炎を眺めながらの生活は心が安らぐ」と山根さんは妻の和江さん(59)、娘の麻依子さん(33)と笑顔を見せる。

 使用するのはペレットストーブ。木片などを砕いて乾燥させた円筒形の燃料で、本体に注ぎ入れ、スイッチを押すだけで自動的に火が付く。山根さん宅は新築を機に設置。当初は薪ストーブを考えていたが、当時、同居する80歳の母親のことを考え、比較的扱いやすいペレットストーブを選んだ。

 1シーズンに約300キロのペレットを使用するといい、袋ごと部屋の中に保管しておけるのも利点の一つ。気温が低い時には他の暖房器具と併用するが、設置する居間は吹き抜けのため、2階も暖かく過ごすことができる。設置して6年たつが、特別なメンテナンスもなく、半月に1回灰を捨てる程度という。

 炎を眺めながらお茶をしたり、読書をしたり、家族と談笑したりと、心豊かに地球環境にもやさしい生活を送る山根さん。「炎のゆらめきを見ていると不思議と落ち着く。ペレットストーブなら年を取っても自分たちで使える安心感もある」と話し、和江さんは「昼間は窓から大山を眺め、夜は炎を見ながら友人や身内と楽しい時間が過ごせる家にしたかった。夢が実現できた」と笑顔。

 麻依子さんも「暖かく、雰囲気もいい。ホッとする」とペレットストーブのある生活に満足している。

山本福寿さん夫婦も加わり、薪ストーブの前で歓談する山本さん一家
薪ストーブに薪をくべる伊織さん

■薪ストーブ■
家中ポカポカ 料理にも

 鳥取市美萩野3丁目の山本春奈さん(40)の家庭では、薪(まき)ストーブが冬場の暮らしを支える“主役”となっている。これ1台で家中がぬくもるのはもちろん、料理作りや子育てにも活躍するなど家族みんな大満足だ。

 春奈さんは10年ほど前、家族で富山県からふるさとにUターンした際、薪ストーブを導入した。富山時代にその魅力に取りつかれたからだ。昨年、大型ストーブに更新した。

 家族は子ども3人との4人家族。薪ストーブは居間兼台所に置かれ、暖房器具はストーブと居間に敷くホットカーペットのみ。

 春奈さんは「部屋中がじんわりぬくもり、体の芯から温まる」とぞっこん。天井部分が吹き抜けの造りのため、ぬくもりは2階の部屋にも広がり、家中がポカポカ。寝る時は薪が自然と消えていくが、「朝もほのかなぬくもりが残り、底冷えは感じない」(春奈さん)。

 ストーブは料理作りにも使われる。シチューやグラタンなどメニューはさまざま。来客をストーブ料理でもてなすと、とても喜ばれるという。

 柔らかい炎と暖。自然と子どもたちもストーブの周りに寄ってくる。ストーブを囲んで会話が弾み、団らんの場となる。

 春奈さんの父は、鳥大農学部元教授の山本福寿さん(66)。昨春、鳥大を退官後、林業後継者を育てようと、智頭の「山人塾」塾長となり、同町に夫婦で移住した。毎週末には福寿さん夫婦も合流し、一家はひときわにぎわう。

 薪の調達はもっぱら福寿さんと長男の伊織さん(15)の役割。軒下や薪小屋に置いてしっかり乾かす。薪運びや点火、薪の継ぎ足しなどのストーブ管理は子どもたちの役割だ。

 春奈さんは「子どもがよく働いてくれる。山林や自然の大切さを伝える環境教育にもひと役買っている」と喜ぶ。福寿さんも「わが家は薪ストーブで“火育”ですよ」と孫たちのたくましい成長ぶりに目を細める。


トップが語る環境問題

竹粉発酵し軽量有機堆肥

北溟産業
(倉吉市岡)
代表取締役社長 中川 優広

 食品リサイクルと食料自給率は深い関係にあり、食料自給率が上がらなければ、食品リサイクルも進みません。農水省のデータによると、鳥取県の自給率は約60%、全国平均は約40%と、低迷の一途をたどっているようです。

 弊社は今一度農業に目を向け、竹粉を生ごみ液肥で発酵することにより、軽量で臭いのない堆肥の開発に取り組んでいます。このような軽量有機堆肥の利用で農作物の生産効率が上がり、作付けが増え、食豊かな国、そして鳥取県になることを期待しながら、今後もより良い製品の開発と提供を行ってまいります。

焼却後の灰も資材に活用

白兎環境開発
(鳥取市千代水4丁目)
代表取締役社長 奥田 貴光

 白兎環境開発は廃棄物の処理・リサイクルを手掛けています。県内有数の焼却炉を有し、建物を解体した際に出る建築廃材や鳥取市内から持ち込まれた粗大ごみなどを分別してリサイクルできないものを焼却しています。焼却後の灰は焼成砂として舗装資材などに有効活用されています。

地域のボランティア清掃活動にも力を入れています。昨年に続き2回目となる「山陰海岸ジオパーククリーン大作戦」を今年10月に実施し、多くのご家族連れに参加していただきました。今後も地域の環境保全と循環型社会の構築に貢献したいと考えています。

地球温暖化はいま

家庭の暖房 住宅の断熱性能上げよう

 寒い時期に増えるのが、「ヒートショック」といわれる症状です。暖かい部屋から寒い浴室脱衣所やトイレなどに移動した温度変化が10度以上だと、血圧や脈拍が急激に変動し、心臓や血管に負担がかかります。それが心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こし、入浴中の溺死や転倒による死亡要因になります。

 平成28年度の厚生労働省の調査では、入浴中の事故死数は溺死以外の死因も含めると年間約1万9千人(うち高齢者約8割)とされています。これは、同年の交通事故死亡者数約4千人の5倍近くです。後遺障害を抱える人はこの数倍にのぼるとみられます。

 現在の日本の住宅は次世代省エネ基準(1999年基準)で、家庭からの二酸化炭素排出削減による地球温暖化対策の一環として導入されました。家庭での消費エネルギーの63%が暖冷房と給湯といわれる中、住まいの断熱性能を上げることでCO2排出を減らすのがねらいでしたが、やっと欧米に近づいたに過ぎない上、法的規制がなく現住宅の4%しか導入されていない状況です。

 断熱性が低い日本では、住宅全体を「暖房」することをあきらめ、こたつや暖房便座などの「採暖」で寒さをしのぐことが一般的となっています。

 鳥取県は居間の平均室温が日本一低い(16・9度、北海道は22・5度=民間気象会社調査)といわれますが、それでも年間の光熱費の半分以上が暖房と給湯に消えています。

 最近は、ヒートショックへの注意喚起が行われ、脱衣所や浴室に暖房する家庭もありますが、断熱性能が低いのに熱風を送っても、まるでザルで水をくむように熱を外に逃がしている状態で、結果CO2排出増加につながります。

 2020年からはパリ協定に関わる温暖化対策 強化により住宅の省エネ基準が強化され、リフォームも含めた住宅断熱に補助が徐々に拡充されています。住宅性能を上げることは、地球温暖化対策であると同時に、自分や家族の命を守る健康対策でもあります。 (鳥取県地球温暖化防止活動推進センター・山本ルリコ)

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