(4)メタンハイドレートとはどんなもの?



 鳥取県沖を含む日本の排他的経済水域の中に広く分布する“燃える氷”メタンハイドレート(MH)は、日本の厳しいエネルギー事情に光明を与えるものと期待されています。大量のメタンガス(天然ガス)を含むMHとは、どのような“氷”なのでしょうか。

 MHは外観では氷や雪と区別できないのですが、その結晶構造は氷と全く異なります。MH結晶は、図に示すように、水分子(図中の球)が形作る籠の中に、メタンが1分子ずつ閉じ込められた構造を持っています。

 水分子の籠は、五角形から成る12面体と、五角形12面と六角形2面から成る14面体の2種類あります。14面体6個と12面体2個からなる単位構造の繰り返しにより、MHは形作られています。

 このようにメタン分子を閉じ込めた籠を組み合わせる構造を持つために、1ccのMHを溶かすと、温度0度、大気圧に換算して160cc以上のメタンガスが得られます。溶けてガスを放出した後には、水しか残りません。

 メタン以外にも、MHと同様な結晶構造を形作るガスがあるため「ガスハイドレート」と総称されます。その基礎研究は、1810年に、塩素のガスハイドレートが発見されたことに始まり、長い歴史を持っています。自然界のMHに関する調査・研究は、60年代中ごろから海底よりも先行して永久凍土地帯で始まりました。天然ガス資源としての研究が本格化したのは2000年代に入ってからですので、MH資源開発はガスハイドレート研究の新参者なのです。

 日本のMH研究は、基礎研究と資源開発のいずれの分野においても、世界屈指の存在です。