(6)海洋調査で採取した試料の分析


直径約75mmの柱状地質試料の強さを測定する鳥取大MH科学コースの学生(東京海洋大学・海鷹丸甲板)

 前回紹介した海洋調査では、海底から8メートル程度の深さまでの地層の柱状試料(コア試料)や水深千メートル付近の地点のさまざまな深さで採取した海水など、多くの試料が得られました。今回は、これらの試料がどのように使われるのか紹介します。

 表層型メタンハイドレート(MH)は、日本海に広く分布しており、海底近くの浅い地層の泥の中に塊になって集まっています。このような地層の特徴を明らかにするため、採取したコア試料を詳しく調査。含まれている鉱物の種類や粒子の大きさなどを分析します。

 海底の地盤の強さも重要な調査項目です。調査船の甲板で、採取した直後のコア試料に直径約1センチの円すい形の金属を押し込み、抵抗力を測ります。さらに、鳥取大へ持ち帰ったコア試料を使って、土木工学研究室の先生方の協力を得て、試料の変形と強さを精密に測定する試験も行う予定です。

 採取した海水は、地層の隙間から絞り出した水(間隙(かんげき)水)とともに、含まれているイオンの種類などを調べます。例えば、MHが成長したり溶けたりすると間隙水の塩分の濃さが変わることから、地層に含まれているMHの量を推定することもできます。

 このように、さまざまな調査でコア試料や海水を使用するので、時には研究者同士での争奪戦も起きますが、少しでも山陰沖のMHの産出につながる成果を出そうと、みんな一生懸命に分析に励んでいます。