(7)燃える氷塊、砕き利用研究


上越沖の海底に露出するメタンハイドレート(1メートル×0・5メートル塊)を無人探査機(潜水艇)ハイパードルフィンで撮影(東京大撮影、明治大ガスハイドレート研究所提供)

 9月中旬、南極観測船「しらせ」が境港に寄港し、一般公開されました。あいにくの風雨でしたが、大勢の方が見学されていました。しらせは3ノットの速さで厚さ1・5メートルの氷を砕きながら進むことができるそうです。その舳先(へさき)はさぞかし鋭く尖(とが)っているのかと思いきや、スプーンのように丸みを帯びていました。氷の上に乗り上げて、氷を押し曲げて砕くためだそうです。

 氷海の話から始まりましたが、日本海の底には燃える氷塊・メタンハイドレートがあります。どこに、どのくらい大きなメタンハイドレートがあるのでしょうか?日本海のメタンハイドレートについては、海底の地下深くからメタンガスが煙突のような形になって上昇する地質構造(ガスチムニー構造)の海底表面近くに存在することが分かっています。

 経済産業省資源エネルギー庁が2014年12月25日と16年1月22日に発表したニュースリリースによると、13年度から3カ年にわたって実施された詳しい調査の結果、日本海と北海道の周辺を合わせて、合計1742カ所のガスチムニー構造が発見されたそうです(調査実施=産業技術総合研究所および明治大)。その中には、厚さ数十メートルの巨大な塊状のメタンハイドレートが存在する場所も含まれるようです。

 表層型メタンハイドレートについては、基礎調査に加えて、天然ガスとして利用するための回収方法の検討も始まるようです。しらせが南極の氷を砕くように、燃える氷塊・メタンハイドレートも上手に砕いて利用できるのでしょうか。研究が進展し、安全かつ経済的な方法が開発されることを願っています。