(9)来春、鳥取で国際フォーラム


一般向け講演会でメタンハイドレートを披露する海老沼教授(右)(今年2月、鳥取市の県立図書館)

“燃える氷”の普及と鳥取からの情報発信

 この紙上セミナーでは、これまでに“燃える氷”メタンハイドレート(MH)の素性とともに、鳥取大メタンハイドレート科学コースの学生の奮闘ぶりを交えて、隠岐周辺での海洋基礎調査の様子や、MHから天然ガスを回収するための技術開発の動向などを紹介してきました。

 MHを天然ガス資源として利用するための研究開発は、数多く存在する大規模な研究開発プロジェクトの中にあって、多くの人に関心を持って応援してもらえるまれな存在のように思われます。それは、氷が燃える意外性と、エネルギー資源に恵まれないわが国が世界に先駆けて新しい形態の天然ガス資源を開発することへの期待の現れなのでしょう。さらに、これまでMH資源開発に取り組んできた方々による成果普及への並々ならぬ努力も大きな要因と思われます。

 12月に入って、MH研究の現状を紹介する催しが二つ、いずれも東京で開催されました。MH資源開発研究コンソーシアム主催の一般向けフォーラム(6日・東京大)と産業技術総合研究所主催のシンポジウム(7、8日・同研究所)です。前者に比べ後者はより専門性の高い内容で、分野横断的に最新のMH研究に焦点を当てたものです。

 鳥取大のMH科学講座でも、人材育成活動とともに、山陰の人たちにMHを広く理解してもらうために、一般向けの講演会、広報活動などに積極的に取り組んでいます。さらに、来年3月には、明治大、鳥取県とともに、鳥取市で国際フォーラムを開催します。このような活動により、「山陰では氷が燃えるぐらいでは記事にならない」と、早く言われるようになりたいものです。

 (鳥取大メタンハイドレート科学講座・海老沼孝郎)