グッドヒル

顧客満足の高品質 オーダースーツを


 国内最大規模の紳士服製造工場を鳥取市内に構える「グッドヒル」(鳥取市吉成2丁目、吉岡秀樹社長)。時代の最先端をいくIT技術と匠(たくみ)の技の融合で、高品質なオーダースーツを作り出し、業界で高い評価を得ている。近年さらに人材の育成や独自システム・機器の導入を強化。鳥取発のものづくりを国内外に発信し、地域や業界をリードする存在として歩みを進めている。

グッドヒル本社
グッドヒル株式会社
【会社情報】
住  所 鳥取市吉成2丁目14―21
電  話 0857(21)5000
設  立 1961(昭和36)年10月23日
代  表 代表取締役社主 吉岡利固
 代表取締役社長 吉岡秀樹
事業内容 紳士服および婦人服の製造販売
従業員数 847人


理想の一着を追求 国内外で評価3つ星工場に
 
国内の紳士服縫製工場の格付けで最高の3つ星工場に認定され、認定証を掲げる吉岡社長=2月10日、東京都文京区
 地域に根差した企業となっているグッドヒルは鳥取県の誘致企業として1961年に創業し、今年で節目の55周年を迎える。県内では、6階建てビルの本社と浜村(鳥取市)、岩美(岩美町)、郡家(八頭町)の工場に合わせて847人の社員が勤務。一般消費者のほか、全国の百貨店やテーラーからの委託注文にも応える一着を迅速に届けている。

 紳士服縫製工場が海外に流出する中、同社が国内で業績を伸ばし続ける秘訣(ひけつ)は、オーダーメードの生産・販売を軸にした経営にある。注文を受けて(売って)から作るシステムの構築により、在庫を抱えるコストを抑え、高い品質の洋服をリーズナブルに提供することを可能にした。

 また、同社は鳥取で培ってきた生産や販売のノウハウを生かして、事業を国内外に広げている。大阪市に本社を置き、東北から九州まで店舗を持つエフワンを完全子会社化し、オーダースーツの全国販売網を充実。海外では1972年に韓国に進出したのをはじめ、中国、インドにも生産拠点を置き、価格や量を追い求める顧客の要望に対応している。目覚ましい経済発展を遂げるインドへの本格進出は日系アパレルメーカーでは初めてで、業界から動向が注目されている。

 もちろん国内での同社に対する評価はますます高まっている。今年2月には、紳士服のパターン・縫製技能保有者(モデリスト)でつくる「国際衣服デザイナー・エグゼクティブ協会(IACDE)」日本支部の「国内縫製工場優秀3つ星工場」に認定された。オーダースーツ部門の同認定工場3社のうちの一つとして、今後、メード・イン・ジャパンの生産技術を世界に発信する役割を担う。

 大手ブランドと協力してニューヨークなどへの店舗進出を展望する吉岡秀樹社長は「鳥取で理想のメード・イン・ジャパンの一着を追求し、国内外に販売していきたい」と話している。

卓越した技能 ITと職人の力結集
 
一着一着丁寧に縫い上げられた上着が並ぶ工場。最後に熟練の職員による厳格な検査が待っている
長年磨き上げてきた技術で正確かつ迅速に縫い上げる社員=鳥取市のグッドヒル本社
 顧客の満足度を高める、スピーディーで正確な生産は、自社開発のIT技術と、半世紀以上にわたって受け継がれてきた職人の技術により実現している。

 着心地の良さを重視した洋服作りは、顧客の採寸から始まる。その後、1千万人の体形データを蓄積し、シミュレーションした独自ソフトにより、仮縫いをしなくても体にフィットする型紙を作成。細かな要望も入力したデータはオンラインで工場に送られる。

 本社工場には、レーザー裁断機をはじめ最新の機器が並ぶ。1階から6階までのフロアをつなぐ搬送システムのコンベヤーがコンピューター制御で動き、生地の裁断から縫製、仕上げ、検品が一貫して行われる。各工程はネットワーク化されており、どこでも進行状況が一目で分かる画面表示などの工夫により、品質と生産効率を高めている。

 どんなに自動化・省力化されても、同社の洋服作りは人の手作りが基本。大量生産される既製服とは異なり、オーダースーツは一点一点生地やサイズが異なるからだ。通称「現代の名工」(厚生労働大臣表彰の卓越した技能者)をはじめ、豊富な経験と確かな技術を持つ社員たちがアイロンやミシンを駆使して縫い上げ、立体感のある美しいシルエットを作り出す。

 また、検査部門では、個別に表示されたデータに基づき、寸法やデザインを確認。合格しても、さらに熟練した検査委員が厳格な外観検品を実施している。これら複数のチェック体制が同社の品質を支えている。

 同社では、これら質の高い製品を生み出す社員の教育に力を注ぐ。現場での教育のほか、国家資格や同社独自資格の取得を支援しており、20代の若手も積極的に資格取得を目指し技術力向上に励んでいる。

独自サービス導入 タブレットで仕上がり確認
 
選んだ生地を使ったスーツの仕上がりを確認できるタブレット端末
入社式で歓迎を受けるソフトバンク社の人型ロボット「Pepper(ペッパー)」。サービス向上を目指す同社の店舗でお客さま対応に当たる
 全国に広がる同社の店舗では、生地選びから製造、販売までを一貫して手掛ける独自のシステムを通じて、商品を熟知するスタッフが対応。年代や時代に合わせたツールの導入も進め、顧客に納得して喜んでもらえる販売を心がけている。

 今年2月には、タブレット端末の画面上で、好みのサンプル生地から、仕立てたスーツの完成品をイメージできる独自システムを各店舗に導入し、活用している。

 同システムは、タブレット端末を活用した同社の業務革新の一環。「生地を見るだけでは、スーツの仕上がりをイメージするのが難しい」といった顧客の不安を解消し、売り上げアップにつなげていく。さまざまな生地で仕立てられた完成品を容易に比較できることで、店舗に展示する完成品サンプルを必要最小限に抑えるメリットもある。

 同社は「スーツを売っていくための新しいツール。生地の印象とかけ離れることのない完成品を届けることができるのは、顧客サービスの向上になる」と説明している。

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