NIE

新聞で広がる世界 NIE実践校の紹介

 新聞を学校の教材として活用するNIE(教育に新聞を)。鳥取県内では江山中、三朝中、溝口中、米子白鳳高の4校が2009年度の実践校として活発な活動を展開し、子どもの視野を広げている。各校の取り組みを紹介する。
 

米子白鳳高(米子市淀江町福岡)

深み増す意見交換
社会問題の生きた教材として活用

 米子白鳳高校(米子市淀江町福岡)は、通信制の授業に新聞記事を取り入れて記事の内容を分かりやすく解説し、生徒が社会問題などを理解するための生きた教材として活用している。

参考資料として配布

新聞記事のコピーを手に授業する岡島教諭。分かりやすいNIEの方法を模索している=米子市淀江町福岡の米子白鳳高
 同校は2009年度から実践校となった。通信制では1教科に年12回のスクーリングがあり、生徒が学校で授業を受ける。

 授業では学習の要点をまとめたプリントに、関連記事のコピーを参考資料として付けて配布し、生徒の理解の助けとしている。授業の後、生徒はその日の学習や記事について分析や感想をリポートに書いて提出する。

 「現代社会」の授業を取材した。この日は15〜20歳の女子生徒5人が出席した。

 NIE担当の岡島恒志教諭が、国境を越えた企業活動のグローバル化やボーダーレス経済についてプリントを基に解説。世界的な規模で経済が不安定となり、日本でも景気の悪化や非正規社員の解雇が深刻になっていることなどを話した。

 この関連記事として、ワークシェアリング(仕事の分かち合い)を導入した企業は、日本では3%なのに対し、韓国では25%を占めることを報じる日本経済新聞の記事のコピーを紹介した。

 記事のポイントとなる文章にはラインが引いてあり、その部分を読み上げたり、補足説明を書き加えたりするなど工夫。まず非正規社員から削減する日本と、ワークシェアリングを進めて大規模なリストラがしにくい韓国との雇用戦略の違いを明確にした。

 生徒たちは「黒板に書いて説明するより分かりやすい」「普段は新聞を読まないので、こんなことが書いてあるのかと興味がわく」と話す。

新たな手法も検討

 岡島教諭は「生徒と教師が意見を交換するのに、新聞はいいツールになる。生徒にとって新聞は、あるテーマについて意見を持つための教材になるのでは。リポートには、こちらが考えさせられる意見を書く生徒もおり、勉強になる」と手応えを感じている。

 さらに「今後は生徒が一つのテーマで記事を書き、見出しも付けて1枚の紙面を構成するような取り組みができたら」と、新たなNIEの手法を検討している。(おわり)

 NIEの効果と実践例
 NIEが子どもにどんな影響を与えるかについて、日本新聞教育文化財団が教師を対象に実施した調査では、「新聞を進んで読むようになった」「記事について友人や家族と話すようになった」「生き生きと学習する」「自分で調べる態度が身につく」などの回答が多かった。NIEの実践例としては、「新聞から知っている文字を探し出す」(小学校低学年)「新聞記事や広告を切り抜きパンフレット『あこがれの海外旅行』を作り地理の授業で使う」(中学校)など、さまざまな取り組みがなされている。

■インデックス
米子白鳳高(1/8)
溝口中学校(1/7)
江山中学校(1/6)
三朝中学校(1/5)