鳥取県内では毎年約5千人が高校を卒業し、その約半数が県外に進学するという。若者の流出に歯止めをかけることは、地域の未来を描いていく上で喫緊の課題でもある。県では就職情報の提供や奨学金の返還助成、県内企業の若手社員を「とっとり就活サポーター」に任命するなどして、Uターンを含む大学生の県内就職を働き掛けている。自分らしく働ける企業と巡り合った就活サポーター4人に座談会形式で「ふるさと就職」を語ってもらった。
とっとりふるさと就職魅力発信事業

とっとり就活サポーター座談会



アクシス(IT関連)
河原 央実さん(22)
入社1年目/公立鳥取環境大卒


一条工務店山陰(住宅メーカー)
小椋 智美さん(27)
入社5年目/お茶の水女子大卒


流通(運輸・サービス)
佐伯 綾子さん(29)
入社7年目/愛知教育大卒


バルコス(バッグメーカー)
橋本 悠真さん(25)
入社4年目/鳥取大卒

まず、県内就職を考えたきっかけを教えてください。

小椋 最初から県内就職に決めていたわけではなかったのですが、東京の企業説明会で自分の中で一番の企業に出合えました。それが鳥取の企業でした。生まれ育った鳥取での生活は、ある程度想像しやすかったこともありました。
佐伯 就活中、縁もゆかりもない地域で長く働くことに、ふと不安がよぎりました。それから地元での就活に切り替えました。
橋本 就活を進めるうち、地元を盛り上げていきたいという思いにたどり着きました。
河原 とにかく鳥取が好き。会社説明会で、経営方針など直接社長から話を聞けたのが大きかったですね。

企業を選んだ決め手は何でしたか。

佐伯 会社見学で社長の話を聞き、経営の考え方などに共感できたことです。まず社長が面白かった。
小椋 私は自分が求められていることを社長の口から明確に聞けたことが大きかったです。
橋本 鳥取から世界に展開する企業なので、都会に行かなくても地元でやりがいのある仕事ができると思いました。
河原 語学を含む1年間の研修などがあり、自分を成長させてくれると思いました。県内就職で県の奨学金返還助成制度も利用できたので、生活にゆとりが生まれました。

地元就職したことで家族の存在をどう感じますか。

河原 家族が近くにいれば安心。仕事にも集中できます。
小椋 鳥取中部地震がありましたが、県内にいて良かったです。口には出しませんが、Uターンしたことを喜んでくれているのではないかと思います。
佐伯 今は会社で採用にも関わっていますが、わが社は入社前に必ず親の考えを聞くようにしています。就職後、身近な相談相手となるであろう家族の理解、助言が必要不可欠ですから。

実際に働いてみてどうですか。

河原 小学生に新しい世界を知ってもらえるプログラミング教室に携わるなど、興味深い仕事がたくさんあります。IT企業ですが、同期入社十数人のほとんどが大学でプログラミングを学んだわけではなく、文系学生も多く活躍しています。
橋本 小さい会社だからこそ、若手でも責任ある仕事を任せてもらえます。今は倉吉の本店で企画や店舗運営などを担当していますが、最近は県外からも多くの人に来てもらえるようになったのがうれしいです。
佐伯 学生のときは有名でない中小企業に不安を感じることもあると思いますが、入ってみると楽しいことがいっぱいあります。小さい会社だからこそ、動きがいのある面白い仕事ができます。
小椋 人口が減る鳥取に不安はありましたが、「それなら自分たちで鳥取を盛り上げていくようなことができるのでは」という先輩の言葉が胸に響きました。住宅メーカーとしての地域貢献もイメージできました。今は経理で責任のある仕事も任せてもらえています。まだまだ勉強しなければ。
佐伯 鳥取は狭いので、営業するにもすぐにつながります。人と人が近い。また鳥取発だからこそ話題になるというメリットもあります。「鳥取に働くところはない」と思い込んでいる風潮もあるようですが、県内にやりたいことができる会社は本当にないのか、疑問を持ってほしいです。

就活サポーターの皆さんから学生に伝えたいことは。

小椋 地方の学生には、都会に出ることが成功という思い込みがあるのでは。鳥取にも自分が成長できる場所や企業があります。
橋本 知らないだけで、県内にも結構面白い企業はたくさんあります。その辺りは学生も一度見て、体験してほしいですね。
河原 思い切ってインターンシップに参加してみては。受け入れ先企業の人から他社の情報をもらえることもあります。そこから鳥取の企業を知るきっかけが生まれます。学生のチャレンジも必要です。
佐伯 どこに就職するか迷っている学生も多いと思います。鳥取にも面白い会社があると分かれば、モチベーションも上がります。企業としてどんどん発信していかないといけないし、学生の皆さんにも探す意識を持ってほしいと感じます。
目を輝かせていた若手社員の皆さん。県内にも若者が活躍できる企業がたくさんあります。鳥取での就職やライフプランについて、ご家族で話し合ってみませんか。