鳥大医学部付属病院 医最前線

 高度で最新鋭の医療機器を備える鳥取大学医学部付属病院(米子市西町、北野博也病院長)。進歩が著しい画像診断、放射線治療の領域で、最新機器を駆使して医療の現場を支えているのが放射線部の診療放射線技師だ。

放射線部
正確な画像を的確、迅速に 最新機器駆使しサポート
地域をリードする大学病院ならではのスキルアップを強調する山根技師長
地域をリードする大学病院ならではのスキルアップを強調する山根技師長

 この春新しくなった同院第二中央診療棟1階のMRI(磁気共鳴画像)検査室。窓越しに検査室をのぞく技師の前にモニターが並ぶ。

 映し出された頭部断面。世界最先端のMRI3.0Tが描写する画像は血管の細部まで鮮明だ。キーボードのマウスで技師が器用に画像を処理していく。

 「医師が診断しやすいよう正確な画像を的確、迅速に出すことが技師の仕事です」と山根武史放射線部技師長。

■最大の情報



 MRI検査室では現在、3.0T機2台、1.5T機1台が稼働する。磁気を利用したMRIの利点は、X線CTでは映し出せない小さな脳梗塞や脳幹部の病変もとらえることができる。強力なほど検査時間も短縮できる。

 同検査室の責任者、山下栄二郎さん(39)は「脳梗塞か脳出血か、一刻を争うその判断はMRIでしかできません。限られた時間で最大の情報をいかに提供するか。進歩に応じた研さんは欠かせません」と話す。

 放射線部は6部門あり、画像診断系と治療系に主に分かれる。前者が「X線検査」「CT検査」「MRI検査」「RI(核医学)検査」。カテーテルを使った低侵襲治療が増えている「血管撮影」や「放射線治療」が後者だ。

 画像診断は、現代医療にとって、治療方針や診療効果の判定を左右する不可欠な情報。それだけに最新の医療機器が力を発揮する。

 この3月に更新されたX線CT装置は、高精細な画像取得を可能にする最先端機。X線検査のフラットパネルディテクターは、検出能力が高く高品質なデジタル画像が瞬時に得られる。RI検査室のPET―CTは、がんの有無や転移、悪性度が診断できる。

 放射線治療棟(第二中央診療棟内)では、ライナックによる強度変調放射線治療(IMRT)が前立腺がんなどに効果を上げている。

最新鋭のMRT3.0Tを操作し、画像処理を行う技師たち
最新鋭のMRT3.0Tを操作し、画像処理を行う技師たち

■動かすのは人間


  同部の技師は総勢34人、半数が20代だ。一般(X線)撮影を担当する福井亮平さん(26)は交通事故など急患と向き合うことが多い。「個人のスキルが必要とされる場も多く、やりがいを感じています。学会などへの参加も大きな励み」と話す。

 若い力がある一方、より高度で経験と熟練を問う現場もある。その一つが放射線治療だ。

 医師の治療計画に沿って行われるが、実際に病巣(がん)に放射線照射するのは技師だ。治療までには、病巣(がん)の複雑な形状や位置を把握する綿密なデータが必要だ。照射のわずかな狂いが正常な細胞に影響を与えかねない。

 「知識はあっても、経験と熟練は積み重ねるしかありません」と山根技師長。「最新機器も、動かすのは人間。魂のこもった医療を支えていきたい」ときっぱり。

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