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2009/11/27の紙面より
無意識の垣根越え
■生きる自信を「いらっしゃいませ」「あ、クレープがある。これもらおう」11月下旬の米子市役所1階ロビー。NPO法人「地域活動支援センターおおぞら」(同市法勝寺町)が運営する「福祉の店」では障害者と市民が気さくに言葉を交わす。 同店は今年8月にオープン。県西部の作業所で作られた菓子や手芸品などを販売している。佐々木はなえ(31)は「接客は好き。いろんな人と話ができて楽しい」とやりがいを感じている。 「おおぞら」には現在、16人の障害者が通っている。アクアスロン事務局に加え、文化講座や作業所の製品の受託販売など多様な事業展開で地域とのつながりを模索。理事長の植村ゆかり(59)は「経験や体験が不足している。いろんな人たちと接し、地域で生きる自信を身に付けてほしい」と成長を期待する。 ■手伝わせて「障害者のトライアスロンはできないか」。過酷なレースに挑む選手の姿に感銘を受けた植村。地元での大会開催を提案したが、福祉関係者らは消極的だった。「できる訳がない」「何かあったらどうするのか」。リスクを恐れた。「どうして『無理』と決めつけるのか。やり方はあるはず」(植村)。その思いに県トライアスロン協会とNPO法人皆生ライフセービングクラブが呼応した。「きっとできます。手伝わせてください」 大会ルールは安全確保と参加者の経済的な事情に配慮。競技は水泳とマラソンの2種目、参加費は一人4千円に設定した。植村らは大会を支えるボランティアからも一人千円の参加費を集めるなど開催に向け奔走した。そのかいあって大会運営に約300人の支援を得た。 ■もっと普通に過去3回の大会では、併走スタッフが障害者の走る速さに置き去りにされたこともしばしば。そのたびに会場はどっと沸く。アクアスロンに加え米子−鳥取間駅伝にも出場している山下真吾(31)は「大会では障害のあるなしは関係なく皆が楽しんでいる。試合で勝つことも好きだけど、多くの友達がつくれる」と笑顔を絶やさない。障害者の社会参画を進めるには何が必要なのか。植村は「健常者が無意識に抱く垣根を取り払う必要がある」と話す。 アクアスロンの運営を支える県トライアスロン協会長の築谷敏郎(76)は、自らもトライアスリート。10年ほど前には心臓にペースメーカーを取り付ける手術をし、障害者手帳を持ついわば同志だ。「周囲は私に気を使うが自分にそんな認識はない。彼らも同じだろう。変に手をかけ過ぎるのではなくもっと普通にしていいんだ」。垣根を越えた無意識の“二人三脚”が障害者の社会とのつながりを深める。 ■インデックス
■第6部 明日へ■
(5)住民・地域の力(11/30) (4)農産物のブランド化(11/29) (3)森林を生かす(11/28) (2)障害者の社会参画(11/27) (1)まちの再生(11/26) ■第5部 環境−明日のために■ (5)愛らぶ東郷池(09/30) (4)人と自然の橋渡し(09/29) (3)環境と向き合う企業(09/27) (2)地域に根差したエコ(09/26) (1)環境異変(09/25) ■第4部 笑顔を求めて■ (5)里親として(07/12) (4)インドネシアからの看護師候補者(07/11) (3)パワーリハビリテーション(07/10) (2)筋ジストロフィー患者の小柴千鶴さん(07/09) (1)支え合うがん患者「スマイルサロン米子」(07/08) ■第3部 文化をひらく■ (5)楽しむ(05/30) (4)つくる(05/29) (3)伝える(05/28) (2)変える(05/27) (1)はぐくむ(05/26) ■第2部 食を問う■ (6)県外客を呼び込め(03/14) (5)消費地の評価(03/13) (4)売り込め加工品(03/11) (3)売り込め農産品(03/09) (2)海から食卓へ(03/08) (1)食への思い(03/07) ■第1部 働く■ (6)UIターン(01/08) (5)定年延長(01/07) (4)女性と出産(01/06) (3)ニート・フリーター(01/05) (2)派遣社員(01/04) (1)離職と復職(01/03) | ||||||||||
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