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連載・特集

題字は柴山抱海氏  世界を襲った金融危機の余波はいまだ収まらない。社会を覆う閉塞(へいそく)感は政権交代という奔流となったが、その流れも定まらない。だが、手をこまねいていては、地方の窮状は打破できない。「自照自輝」第6部では、逆境に立ち向かう地域の取り組みにスポットを当てる。地道ながらも着実な歩みこそが、自ら輝きを放つ手掛かりとなるに違いない。 (文中・敬称略)
2009/11/28の紙面より
第6部 明日へ (3)森林を生かす

癒やしの“基地”に

「セラピーロード」の絶景ポイントで案内する「森のガイド」養成講座生の岡田。絶壁に原生林が自生し、紅葉シーズンには紅葉の赤と杉の緑のコントラストが美しい=鳥取県智頭町の芦津渓谷
 町域の9割を森林が占める鳥取県智頭町は、この特徴を生かして町全体を森林のリラックス効果などを活用した「森林セラピー基地」として整備する。町立病院や民間の野外幼稚園などとも関連させ、都会では体験できない“癒やしの里”づくりを進めている。

■ストレス解消

 森林セラピーは、森林の持つストレス解消効果などを心身の健康づくりに役立てる。森林セラピー基地は全国に38カ所あり、同町は来春に鳥取県で初の認定を目指す。

 同町の構想では、芦津渓谷の自然歩道3コース(約8キロ)を「セラピーロード」とし、これ以外にも順次コースを増やしていく。

 そのほか▽町立智頭病院と連携した健康づくりメニュー▽地元の食材を生かしたセラピー食の開発▽多様な体験プログラムの作成−などで来訪者を集め、林業と町の活性化につなげる。

 町はセラピーの方法を指導する「森のガイド」(森林セラピスト)の養成講座を来年3月まで開講。県内外から応募した34人が、森林の医学的な効果や地域文化などガイドに必要な知識を学ぶ。

 受講生の前橋京子(49)=同町大内=は「効果的に癒やす方法を学んでガイドし、来町した人に喜びを実感してほしい。智頭町の空気や景色の新鮮さを伝えたい」と意欲を燃やす。

 岡田邦雄(63)=同町南方=は「森林には四季折々の変化が表れる。それを誰もが体感できるのが一番の素晴らしさ。鳥のさえずりや渓流のせせらぎを聞き、木や水に触れると心身が癒やされる」と話す。

■表現力豊かに

 鳥取県初の野外幼稚園「森のようちえん・まるたんぼう」は4月に開園した。保護者ら10人が運営し保育士の人件費は町が補助。8人の園児がいる。

 代表の西村早栄子(37)=同町大屋=の自宅と町内の民家の計2軒を園舎とし、子どもたちは森林の中で毎日を過ごす。

 森林では子どもは興味の赴くまま自由に遊ぶ。大人は見守るだけ。筋肉がついて体格が良くなり、生活のリズムが規則正しくなる。表情が乏しい子も表現力が豊かになる、という。

 また親子で参加する「森のお散歩会」を月1回開催。町外から毎回60〜80人が参加する。半数はリピーターだ。

 東京出身で3年前に智頭町に引っ越した西村は「智頭町は空気や水がきれいで隣近所のコミュニティーがしっかりしており、子育てには絶好の環境。子育て世代が移住できるように行政がサポートすれば町に来る人が増える」と期待している。

■インデックス
■第6部 明日へ■
(5)住民・地域の力(11/30)
(4)農産物のブランド化(11/29)
(3)森林を生かす(11/28)
(2)障害者の社会参画(11/27)
(1)まちの再生(11/26)
■第5部 環境−明日のために■
(5)愛らぶ東郷池(09/30)
(4)人と自然の橋渡し(09/29)
(3)環境と向き合う企業(09/27)
(2)地域に根差したエコ(09/26)
(1)環境異変(09/25)
■第4部 笑顔を求めて■
(5)里親として(07/12)
(4)インドネシアからの看護師候補者(07/11)
(3)パワーリハビリテーション(07/10)
(2)筋ジストロフィー患者の小柴千鶴さん(07/09)
(1)支え合うがん患者「スマイルサロン米子」(07/08)
■第3部 文化をひらく■
(5)楽しむ(05/30)
(4)つくる(05/29)
(3)伝える(05/28)
(2)変える(05/27)
(1)はぐくむ(05/26)
■第2部 食を問う■
(6)県外客を呼び込め(03/14)
(5)消費地の評価(03/13)
(4)売り込め加工品(03/11)
(3)売り込め農産品(03/09)
(2)海から食卓へ(03/08)
(1)食への思い(03/07)
■第1部 働く■
(6)UIターン(01/08)
(5)定年延長(01/07)
(4)女性と出産(01/06)
(3)ニート・フリーター(01/05)
(2)派遣社員(01/04)
(1)離職と復職(01/03)

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