関西からのメッセージ


京都・島津製作所社長
中本晃さん(66)
-境港市出身-


ふるさとへのメッセージ動画




分析計測機器で世界をリード
「科学技術で社会に貢献」

2012/3/5の紙面より

 島津製作所(本社・京都市)は主力の分析・計測機器を中心にグローバルビジネスを展開する製造業。新製品の開発、市場投入を加速させ、中国やインドを中心に売り上げを伸ばしている。鳥取県境港市出身の中本晃社長(66)に理念や企業成長の行方などを聞いた。

 −企業人としての信念は。

 厳しいことや嫌なことに目を背けず、何事にも真正面から取り組む。慌てないで、じっくりと物事を考える。そして感謝の気持ちを忘れない。

 −会社が目指す方向性は。

 科学技術で社会に貢献すること。常に科学技術で新しい分野を切り開き、暮らしの安全安心や産業基盤を支える製品、サービスを提供していく。

 −リーマン・ショックからどう回帰するか。

 変わり続ける顧客の価値観に対応することが重要だ。成長著しい中国やインドなどの新興国も鍵を握る。基本路線は、欧米などの先進国と新興国の両方で成長を図っていく。

 −グローバル化にどう対応するか。

 海外での売り上げが全体の40%余りを占めており、飛躍のためにもさらなる海外展開が求められる。拠点整備や人材育成を進める。

 −欧州の債務危機などで欧米市場は景気低迷が続いている。

 欧米では主力の分析機器が持ち直している。市場規模は大きいし、新興国は経済成長を図る際に常に先進国を参考にする。先進国で盛り返さないと、新興国でも苦戦が予想されるため、欧米に力を注ぐ必要がある。

 −成長市場の中国でどう事業展開するか。

 製品の開発から製造、販売、サービスの提供まで現地化を進める。技術者の増員も必要だ。増大する顧客のニーズに応えるため、アプリケーション(測定の方法やノウハウ)の開発を進めたい。

 −国内市場をどう分析するか。

 低成長だが、復興需要があるだろう。一方、海外諸国との交流を活発にしなければ国内経済は伸びない。その意味でも環太平洋連携協定(TPP)への参加を推進するべきだ。また、日本企業の潜在的な技術力を発揮すれば経済成長が期待できる。

 −今後どのような製品が求められるか。

 人の健康と人類の成長に役立つ製品は不可欠だ。誰もが簡単に使え、誰もが情報を共有できるような製品も主流になるだろう。

 −島根大と共同研究を進めている。

 新生児の先天性異常などを早期診断し、発症予防につなげる取り組み。島根大のほかにも多くの大学とさまざまなテーマで共同研究を進めている。大学の研究とわれわれの技術を合わせると高付加価値を生むきっかけになる。ライフサイエンス(生命科学)の分野は可能性を秘めており、今後も力を入れたい。

 −ふるさとへのメッセージを。

 高校卒業まで鳥取県内で暮らした。自然に恵まれ、優しい雰囲気を持つ故郷が好きで、いつまでもそんな地域であってほしい。。


 なかもと あきら 境港市出身。大阪府立大工学部卒。1969年に島津製作所入社。分析計測機器事業を中心に歩み、2001年に取締役就任。09年6月から現職。

 島津製作所 本社は京都市中京区西ノ京桑原町。1875(明治8)年創業。資本金266億円。分析計測機器大手で医用機器、航空機器、産業機器なども製造。半導体・液晶関連、バイオ・環境を育成している。全国14支店、3営業所を展開。欧州、米国、アジアなどで海外市場を開拓。2002年には同社の田中耕一氏がノーベル化学賞を受賞した。11年3月期の連結売上高は2527億円。グループ従業員は約1万人。


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