「ベタ踏み坂」の愛称で観光名所となった江島大橋から松江市方面を眺めると、あおむけに横たわる人の寝姿のような山容が目に入る。「キューピー山」や「ほとけ山」などと呼ばれ、中海圏域の住民に親しまれている自然景観だ。
境港市側から見て左の頭の部分が和久羅山(わくらさん)(標高262メートル)、右の胸から下の胴の部分が嵩山(だけさん)(同331メートル)。約500万年前の火山活動によってできたとされる。その首の部分に当たる松江市上東川津町に嵩山の登山口駐車場がある。
秋晴れの登山日和、山頂を目指した。前日の雨で粘土質の路面はぬかるみ、足元がおぼつかない。山頂までは約30分。中腹に数カ所の展望所が設けられ、宍道湖畔にビルやマンションが建つ松江市の市街地や島根半島の田園風景が楽しめる。