鳥取県内全域で季節外れのインフルエンザが流行し、夏休み明けから患者が急増している。例年は12月~翌年1月下旬ごろに流行のピークを迎えるが、今年は7月中旬から増え始め、9月中旬には最も多くの感染者数が確認された。学校や保育園では集団感染が相次ぎ発生し、せき止めなどの医薬品不足にも直面。今後、新型コロナウイルスと同時流行する可能性もあり、専門家らは感染予防策の励行を呼びかけている。
今月中旬、鳥取市上魚町の石谷小児科医院。「子どもの熱が39度あり、せきや鼻水の症状で検査に訪れた。周囲でもインフルや感染症がはやっていて心配だった」と、6歳の娘を連れた母親が来院した。石谷暢男院長は通常の診察の合間を縫って感染防護服に着替え、駐車場に待機した車中で抗原検査を実施。医院には連日、発熱などの症状で検査に訪れる車が列をなすという。
石谷院長は「インフルエンザだけでなく、コロナや手足口病、ヘルパンギーナなど、さまざまな感染症がまん延している。コロナ禍で免疫を獲得できなかった子どもの感染が目立ち、インフルエンザは季節性がなく通年で流行。手洗いなどの感染対策は気を緩めないでほしい」と強調した。