私は今年の8月7日から12日にかけて国際協力機構(JICA)が企画した海外研修に同行しました。視察先は、タイ。参加したのは、JICAが主催する「国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2022」で最優秀賞と優秀賞を受賞した生徒と、コロナ禍でこの数年海外研修に参加できなかった過去の受賞者を合わせた、総勢16人の中・高・大学生です。彼らは今回の研修を通して、タイの人々や社会から何かを感じ、「自分の生き方」を追究していったのです。
▽障害は社会の側にある
研修2日目、最初の視察先として私たちは、JICAが無償資金・技術協力をしてきた「アジア太平洋障害者センター(APCD)」を訪問しました。
ここは、障害のある方の社会参加を促進し、社会のバリアフリー化に取り組んでいる施設です。センターが運営するレストランやベーカリーで働いていたのは、両腕がなかったり、耳に障害があったり、学習障害や発達障害があったりとさまざまなハンディを抱えている人々でした。みなさん、笑顔で生き生きと、自分の仕事に誇りをもって働いていて、私を含め、参加者は障害のある方々だとは気づかなかったほどです。
タイでは日本と比べると障...