倉吉市のNPOかがやきプロジェクトに所属する陸上の川口梨央さん(20)=鳥取市出身=が、2024年パリ・パラリンピック出場を目指して練習を強化している。走り幅跳びの選手である川口さんの記録は5メートル15センチ。パリ・パラに出場する一歩として、国際大会に出場できる5メートル29センチを突破する必要がある。あと14センチの壁を越えるため外部から講師を呼び、来シーズンに向けて練習に励んでいる。
川口さんは第22回全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」の旗手を務め、100メートルと走り幅跳びの2種目で大会新をマークして優勝するなど、県勢の期待の星。
パリ・パラ出場には、日本知的障がい者陸上競技連盟の強化指定選手になることが必須。そのためには5メートル29センチをクリアしなければならない。記録は3月に開かれたオール陸上競技チャレンジ記録会で跳んだ5メートル15センチ。バネの強さなど天性の才能があるだけに、強化する練習やポイントを探る試行錯誤が続いている。
そこで、走り幅跳びの現役選手でありながら、「走りの学校」(東京都)の講師を務める外川天寿さんにパーソナルトレーニングを依頼することに。
倉吉市内で行われた指導で外川さんは、歩幅の広さやスピードを上げるタイミングの重要性を説き、手本を見せながら助走や踏み切りをチェック。「障害があるなしに関係なく教えることができた。粗削りな部分が多いが、いい面と悪い面を探して練習していけば5メートル30センチ以上は跳べるようになる」と話した。
川口さんは「技術面、全てが勉強になった。パリ・パラ出場を目指し励みたい」と意気込む。練習の一部始終を動画に収めていた同NPOの浅田陽一コーチは「練習のアイデアを得ることができた。来年3月にスムーズなシーズンインを目的とし、鹿児島県で2月に計画している合宿にも外川講師を招いてパーソナル指導を検討している。記録をなんとしても伸ばしたい」と話した。