ゲレンデで下草がむき出しになるほどの少雪の年と、民家を覆うほど大雪の年。氷ノ山(1510メートル)の麓、若桜町つく米(つくよね)地区で直近6年間のうちに観測された。極端な気象を経験した住民は「温暖化で豪雪地帯の冬が変化しつつある」と感じている。有識者は全ての原因を温暖化に求めることに警鐘を鳴らし、地域の状況に応じた対策の必要性を説く。
■因果関係は不明
2015年末~16年、記録的な暖冬が氷ノ山スキー場を直撃した。営業できたのはわずかな期間で、同スキー場アルパインゲレンデを運営する若桜観光の山根政彦社長は「雪の気配が全くなく、今後も降らないのでは」と絶望した。
年間利益の7、8割を稼ぎ出すスキーシーズンの雪不足は死活問題で、山根社長は「冬に雪が降るという当たり前だった前提が崩れ、毎年気が気でない。地球環境がおかしくなっているのでは」と嘆く。