岩美道路 効果早くも 浦富で〝造成ラッシュ〟 3月12日に全線開通

 山陰近畿道岩美道路(岩美町、5・7キロ)の最後の工区である浦富インターチェンジ(IC)-東浜IC区間の3・8キロが3月12日に開通し、同道路が全線開通する。鳥取市内から兵庫県新温泉町まで15・8キロが自動車専用道路で結ばれ、浦富IC付近では県境をまたぐ来町者が増えることが見込まれている。周辺では商業施設や住宅地用の土地の造成が急ピッチで進むなど、全面開通に向けた機運が高まっている。

 開発が進む浦富IC付近には現在、スーパーやドラッグストア、ホームセンターなどが立ち並ぶ。2019年ごろからは住宅地の造成も進み、浦富地区内には同年から今年までに40戸以上の住宅が建てられた。新たに商業用の分譲土地9千平方メートル、23戸分の住宅用宅地分譲土地約6千平方メートルが造成中で、現場では連日、作業にあたる工事機材の音が響く。

 工事を手掛ける鳥取不動産ねっと(鳥取市永楽温泉町)の土橋健二社長は「今までのアクセス量だったら開発に踏み切れなかった。岩美道路の開通で但馬圏域からの立ち寄りも増えることを見越した」と着手の理由を説明する。7月ごろには全ての工事が完了する予定で、さらなる開発にも意欲を見せる。

 岩美町は移住定住促進に力を入れており、町内での新築への補助やUターン者への助成事業にも取り組んでいる。長戸清町長は今回の民間による住宅地造成などの追い風効果にも期待を寄せ、「街中が発展することで、岩美町への移住定住促進や観光地としての魅力が高まれば」と話す。

 町などは、全面開通に合わせた岩美道路のプレイベントとして、道路をウオーキングや自転車で通行するイベントを3月5日に開催する予定だ。長戸町長は「岩美道路の開通でジオパークエリアの連携や交流がさらに進み、地域の発展につながる。引き続き盛り上げていけるよう、町を挙げて取り組んでいく」と意気込む。

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