受賞者2人の代表作展示 米子で県文化功労賞記念巡回展

 本年度の鳥取県文化功労賞受賞者の功績を紹介する記念巡回展が23日、西部会場の米子市美術館で始まった。受賞した洋画家の中尾廣太郎さん(74)=鳥取市=と日本画家の岸本章さん(71)=同=の代表作など20点が展示され、来場者の目を引いている。26日まで。入場無料。

 中尾さんはデフォルメした個性的な人物画が特徴で、全国的に高い評価を得ている。県内では県美術家協会発足に尽力するほか、鳥取洋画家協会長として洋画界をけん引。今展では、明け方の薄暗い風景に人物と亀を印象的に描いた「仄日(そくじつ)」(県美術展覧会準大賞作)など9点を展示している。

 岸本さんは鉱石を砕いた「岩絵の具」などを用いて多くの山陰の風景画を手掛けてきた。近年はイカ墨顔料を使うなど新たな表現に挑戦しながら県内の美術振興に貢献してきた。今展では、島根県大田市のサメ漁を取材して描いた「鮫と少年」(菅楯彦大賞展大賞作)など7点と、画材や取材写真を展示した。

 中尾さんは「絵を描く感覚を自分自身の中で広げてここまでやってきた」と述懐。岸本さんは「鳥取の歴史や文化、風景の美しさを見た人にも感じてほしい」と呼びかけた。

 巡回展は3月1~5日に倉吉博物館、9~12日に鳥取市文化センターでも開かれる。

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