宇宙産業を地域の主要産業に育成するために鳥取県が初めて開催した「星取(ほしとり)県宇宙ビジネスプランコンテスト」が26日、鳥取市文化センター(同市吉方温泉3丁目)であり、障害がある宇宙飛行士「パラストロノーツ」を支える技術と月面での電力供給技術の拠点を鳥取砂丘に集積するプランが、社会人部門と学生部門の最優秀賞に輝いた。
「鳥取県内でチャレンジする宇宙ビジネス」をテーマに社会人と学生2部門で参加者を募り、全国から26組が応募した。この日は事前審査を通過した14組が、オンラインなどで独創的なアイデアを発表。宇宙ビジネスを手がけている実業家やJAXA宇宙科学研究所の准教授らが、実現性や将来性、鳥取で行う意義などを基準に審査した。
社会人部門の最優秀賞に輝いたのは、パラストロノーツの義手や義足などの開発者が集うコワーキングスペースを鳥取砂丘周辺に展開するプランを提案したノットワンダー(東京都)。学生部門では、探査車などに効率良く太陽光エネルギーを供給する実証実験を鳥取砂丘で行うとしたライトハウス(同)が選ばれた。
受賞後、建設会社の同僚らで構成するノットワンダーの環貫陽、石川豊両代表は「障害のある人が宇宙を目指せる環境をつくるためのスタートラインに立てた」と述べ、宇宙関係の学生団体で知り合った大学生2人で結成したライトハウスの阿部舞哉さん(20)=早稲田大2年=は「事業が実現する際は、鳥取に戻ってきたい」と目を輝かせた。
鳥取県は、鳥取砂丘西側に月面を模した実証実験フィールドの整備を進めるなど、宇宙事業の地域産業化に力を入れている。