へんてこりんな世界に誘う 「不思議の国のアリス」展

 あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区)は「不思議の国のアリス」誕生から現在に至るまでの歩みを約300点の作品や映像などで紹介する展覧会「アリス-へんてこりん、へんてこりんな世界-」を開いている。“かつてないアリス展”とうたい、遊び心あふれる展示演出でアリスの世界に引き込む。来年3月5日まで。

  「不思議の国のアリス」は、ルイス・キャロルが知人の娘アリス・リドゥルとその姉妹のために即興で創作した話を基に1865年に誕生。少女アリスは白ウサギを追いかけて不思議な国に迷い込み、体が大きくなったり小さくなったり、会話する動物や動くトランプなどに出会ったり、へんてこりんな世界を冒険する。

 同展は2021年に英国ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で行われた大規模展の世界巡回で、展示部門責任者のダニエル・スレーターさんは「ロンドンで何年もかけて企画し、20万人近い来場者が訪れ大成功だった。ある人物の創造性が他の人物の創造性をどう刺激するか、つぶさに見ることができる」と胸を張る。

 挿絵のジョン・テニエルのスケッチや、日本人作家が描いたアリスの作品、アリスの映像や舞台作品、ファッションなどを展示。体が大きくなったアリスが流した涙でできた池や、「チェシャー猫」「狂ったお茶会」のインスタレーションなども楽しめる。

 あべのハルカス美術館学芸員の横山志野さんは「160年の時を経てもなお人々の想像力を刺激する作品だなということが分かると思う。勇気や好奇心が生まれ、創造の世界が広がれば」と力を込める。

 午前10時~午後8時(月土日祝は同6時)。

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