大阪信用金庫と日本政策金融公庫は20日、協調融資商品「ラコンテ」の取り扱いを開始した。同一目的の資金計画に対し、大阪信金と日本公庫が協議して融資する商品で、顧客の了解を得た上で両金融機関が情報共有し、創業・事業承継・財務体質強化の3分野を対象に融資する。融資限度額や利率は適用する融資制度によって異なる。
具体的には、大阪信金の営業区域内の事業者が大阪信金または日本公庫に相談すれば、協調融資、創業計画のブラッシュアップ、事業承継計画への助言、外部専門家への取り次ぎといった支援が受けられる=図。
大阪府の2022年度の経済データで府内製造業の事業所数をみると、2000年の5万6862事業所から15年には2万9885事業所まで減少している。経営者の高齢化も進んでおり、後継者の不在率も全国を上回っている。中小企業が長期にわたって減少傾向にある中、創業と事業承継の支援で中小企業の減少に歯止めをかける狙いがある。
創業支援の対象は、新たに事業を始める人、事業開始後5年以内の事業者で、融資限度額は両金融機関の合算で2千万円。
事業承継支援の対象は、安定的な経営権の確保などで事業の承継・集約を図る事業者など。
財務体質強化支援の対象は、スタートアップや事業再生に取り組み、一定の条件を満たす事業者。融資額が資本とみなされる資本性ローンの活用が可能で、財務内容を強化して融資を受けやすくする。
両金融機関が連携することで、融資額の拡大やサービスの拡充が期待され、「今後も日本公庫とより一層の連携強化を図り、お客さまのニーズにお応えしたい」(大阪信金)、「タッグを組めばより多くの融資、いろいろな本業支援が可能になり、お客さまの役に立てる」(日本公庫)とそれぞれに意欲を見せている。