堀内鏡工業

“本当の肌色映す鏡”製造 要望に応え多彩な形状 ブランド確立し海外にも

あきない見聞録

 スタンドミラーやコンパクトミラー、ハンドミラーなど幅広い鏡製品を製造・販売する。メーク用に特化した“本当の肌色を映す鏡”「ナピュアミラー」シリーズなどのヒット商品を柱に、平野の地場産業を世界に発信。海外販路の開拓にも力を入れている。

 1955年創業で、堀之内茂美社長(66)は2代目。「父親がやっていた頃は、成人の日には女性に鏡を贈る風習があった。毎年行政から注文が入り、年末からその製造に大忙しだったそう」。近年はそれもなくなり、外国からも廉価品が多数入るようになって廃業する同業者も多い。

 だが、「使いやすさ」「お悩み解決」「メーク姿も美しく」の3点にこだわって新商品を開発し、手作業で製造を続けている。メークの際には必要不可欠で、毎日のように使う鏡こそ、より高品質なものを愛用してほしいという思いからだ。

 特許取得の「ナピュアミラー」シリーズは、透明度の高いガラスと、色の再現性が高い反射金属との組み合わせによって、本来の姿をありのままに映し出す。「もっと高さがあったら」「角度を変えることができれば」などの要望をくんで、さまざまな形状の鏡を展開する。

 例えば、発光ダイオード(LED)を活用した「LEDスタンドミラー」は、天気やその場の照明に影響を受けないメーク専用のスタンドミラーで、3種類のライトを搭載。8段階の明るさ調整が可能だ。「スタイリングスタンドミラー」は、ヘアスタイルも確認できる三面鏡で、高さや角度調整も自在。伝統工芸の蒔絵(まきえ)を施したミラーは訪日外国人(インバウンド)に人気があり、「浪裏富士」「赤富士」「富士と桜」「舞妓(まいこ)」の4種で、等倍鏡と3倍拡大鏡をセットにした。

 新型コロナウイルス禍でインバウンドも減り、苦境は続くが、交流サイト(SNS)を通じた商品PRにも力を入れ、海外では「HORIUCHI MIRROR」のブランドを確立。堀之内社長は「化粧品はあれこれ検討し、高価なものを使っている人も多い。メークの一助となる鏡にもぜひ意識を向けてほしい」と願っている。

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