境港市中町の聖心幼稚園(松下裕子園長)で「ありがとう茶会」が開かれ、卒園を前にした年長組の園児21人が父母や祖父母にお点前を披露した。
同園は1992年から、日本の伝統文化に触れ相手を思いやる心を育てようと、年長組園児に茶道を体験させている。裏千家淡交会境港支部の岡空京子さんが指導に当たり、月1回、計10回の教室で茶道の基本を学んできた。
茶会では、園児が2人一組でお茶をたてる「亭主」と茶事を手伝う「半東」を交代で務めた。「一服差し上げます」とお茶をたて、対面する父母らの前に運び、「お茶をどうぞ」と差し出した。保護者も神妙な面持ちで子どもたちのもてなしを味わい、「ごちそうさまでした」とねぎらった。
遠藤燈ちゃん(6)の父親で会社役員の巧志さん(35)=同市元町=は「約30年前には園児として、今回は父親の立場で茶会に参加した。娘の普段は見られない姿も見られてよかった。お茶はほろ苦い味がしました」と感慨深そうに話した。
教室を修了した園児たちには、園長と裏千家家元からの修了書「おしるし」が渡された。