地元について学び、魅力の発掘に取り組む青谷高(鳥取市青谷町青谷)の3年生6人と、同市出身のイラストレーター、伊吹春香さんがコラボした漫画「青谷灯台物語」が完成した。青谷町にある長尾鼻灯台などを舞台に、地元の女子高生が青谷の歴史や魅力に触れていく物語で、若者ならではの視点で同町をPRする。
灯台を知り、海や地域への考えを深める「海と灯台プロジェクト」の一環。市青谷地区振興プロジェクト実行委(岸本雄司委員長)が主催し、文献調査やフィールドワークを通して地元を学ぶ「青谷学」を開講する同校に声をかけ、9月に始動した。
授業で、生徒たちは普段入ることのできない長尾鼻灯台の中を見学したり、実際に街道を歩いたりして学んだことや感じたことを伊吹さんに伝えた。伊吹さんは生徒らの話を元にストーリーを考案。青谷に住む女子高生がこま犬の精霊と出会い、一緒に青谷にしかないものを探していく-という物語を、温かみのあるイラストで描いた。
同市青谷町総合支所で2日、贈呈式があり、同支所や県に漫画が贈られた。伊吹さんは「『海や川をたどったら自然と歴史が見えてくる』という生徒の言葉から着想した。漫画を描きながら、歴史的にも観光的にも重要な場所だと実感した」と語った。
同校の井口日翔さん(18)は「授業を通してさまざまなことを知り、いい刺激になった。青谷について詳しく描いてあり、歴史も学べる。いろんな人に読んでほしい」と話した。
漫画はB5判フルカラー28ページで、5千冊を発行。同市内の観光施設や青谷町内の学校に配布される。市の観光サイトなどでもデジタル版を楽しめる。