「出遅れた感は否めないが、宮本武蔵の心境で頑張りたい」。知事選告示まで残り2週間となった10日、急きょ決まった出馬会見に現れたのは、前回選と同じく、共産党鳥取県委員会常任委員の福住英行氏(47)だった。自身の剣道経験を踏まえ、知事選を巌流島の決闘になぞらえたが、福住氏の出馬会見に至るまでには、紆余(うよ)曲折があった。
■急転直下
「必ず選挙戦にします」。2月22日の立候補予定者説明会終了後、共産、社民両党、市民団体の関係者らで構成する「憲法をいかした、住民自治による民主県政をつくる会」(山内淳子代表)の関係者は取材陣に力強く答えた。
昨年末から新人候補擁立に向け動いており、当時は出馬要請の返事待ちという最終段階にあった。表明は秒読みと思われたが、目標の2月末も過ぎても動きはなく、3月8日に会としての擁立断念を表明した。