鳥取市は、同市出身・在住の芸術家の情報を幅広く発信する「鳥取市芸術家バンク」制度について、4月から登録対象者を県東部5市町と兵庫県新温泉町、香美町で構成する麒麟(きりん)のまち圏域全体に拡大した。同圏域の在住者か出身者であることが要件。圏域全体で文化振興を図る狙い。
同制度は、コロナ禍で活動の自粛や中止を余儀なくされた芸術家を支援しようと2020年に創設された。講演や制作の依頼を受けやすいよう、連絡先や活動内容などを市のホームページでまとめて公開している。39歳以下の若手芸術家については、市民会館、市文化センター、国府町コミュニティセンターを公演などで利用する場合に、利用料金を約5~7割減免するなどの支援制度も設けている。
4月4日現在、市内のイラストレーターや声楽家、楽器演奏者、落語家など、幅広い分野の芸術家64人が登録されている。22年度からは、市内の小中学校に登録された芸術家を派遣する事業が始まり、小中学校8校に6人が派遣された。
市によると、市外の芸術家から「市内でも活動しているため、登録したい」といった要望があったという。
市文化交流課は「より多くの芸術家に登録してもらうことで、市民の皆さんが地元の芸術家を知るきっかけにしてほしい」と期待。新温泉町企画課は「町単独だと文化振興の体制づくりが難しいので、圏域全体で取り組んでもらえるのはありがたい」と歓迎した。